used to と would の意味とその違い

used to と would は「過去の習慣・習性」を表す、といわれていますが、次の英文は「習慣・習性」と言えるかどうか?

I used to live in Lindon.
― 「OALD」(5th)

「住む」は「習慣」ではないでしょう。
でもまあ、習慣に従って、「習慣」としておきます。

ちなみに上の英文は、

I lived in London in a long time (for several years).

と書いてもたいして意味は変わらないはず。

しかし、まったく同じではない。
それでは used to と would の意味、そして違いは何か?

used to と would、辞書と文法書の説明を読む

used to は、見れば分かる通り、use から派生しました。
use が使われ始めたのは意外と新しく、13世紀になってから。

今では use はもっぱら「使用する」という意味で使われていますが、最初は「~を使用する、~を習慣にしている」という意味でした。

大辞典には「習慣にする」という定義が載っています。

《古》習慣にする,常に行う。
― 研究社「新英和大辞典」

「使用する」と「習慣にする」は意味がかけ離れている感じがしますが、次の英文を見れば、意外と意味が近いことが分かります。

I always use the same shampoo.
― 「LDOCE」(4th)

さて。

used to は15世紀後半から使われ始めましたが、その定義を漠然と言えば、

過去の漠然とした長い期間、~だった、~することがよくあった。
しかし、今は違う

「新英和大辞典」の解説。

used to は相当長期の漠然たる過去を表す語句と共に用いられるのに対して、would は比較的限られた時を表す語句と共に用いられる。
I used to read Dickens in those day.
このような場合 would は用いられない。
He used to live here for ten years. は誤り。

田中実(著)『英語構文ニュアンス辞典』より。

used to の表す習慣は<過去におけるある一定の時間の広がりがある>のに対して、would の表すその期間は通例、<短い>ものである。

used to は<不特定な過去>を指すので、過去を表示する語句が特定的になればなるほど、容認可能性が下がる。

× He used to go there with her in 1960.

安藤貞雄(著)『現代英文法講義』より。

used to は、特定の期間を表す for 句とともに用いることはできない(cf. Alexander 1988 : 235, Swan 1955 : 604)。
(2)のどちらかの表現を選ばなければならない。

(1)× I used to live in Manchester for tree years.

(2)a. I used to live in Manchester.
      (以前マンチェスターに住んでいた)

   b. I lived in Manchester for three years.
      (マンチェスターに3年間住んでいた)

ただし、
江川泰一郎(著)『英文法解説』によると、

・・・次の文は「3日間の滞在」が何回も繰り返されたので、問題はない。

I used to stay here for three days.
(いつもここに3日ずつ滞在したものです。

とのこと。
※ 動詞が live ではなく stay になっていることに注意。

used to の特徴その1

特定の期間を表す語句と共には用いられない。

なぜなら used to は「過去の漠然とした長い期間」を表す語だから。

もちろん、その「長い期間」は主観の問題で、何ヶ月以上とか何年以上といった決まりはありません。

また、特定の時期を表す語句と共にはもちいられないが、漠然とした語句なら可能。

When I was a kid there used to be a school over there.
― 「OALD」

なぜなら used to は「過去の漠然とした長い期間」を表す語だから。

used to の特徴その2

used to は、反復しなくても可。

田中(同書)より。

used to は<必ずしも反復を示すわけではない>が、would は<反復を示し、よく・・・したものだ>という意味で often とともに用いられることが多い。

COD(11th)の used to の定義。

did repeatedly or existed in the past.

「exsisted in the past.」、つまり過去には存在したが、今はないという意味の英文に使える。

上に引用した英文がそう。

When I was a kid there used to be a school over there.

昔は学校があった、は繰り返されないでしょうね。

used to の特徴その3

過去と現在との対比。

田中(同書)より。

use to は<以前は・・・であったが、今は・・・でない>というように、よく<過去と現在の対比>を示すことがあるが、would はそうした<過去と現在の対比>を強調しない。

安藤(同書)より。

この形式(※ used to)現在は行われていない過去の規則的な習慣・状態を述べるのに用いられる。
しばしば現在と対比される。

I used to be able to keep two assistants, but now I only keep one. (Doyle, Adventure of Sharlock Holmes)
(以前は助手を二人雇うことができたものだが、いまは一人しか雇っていない)

Harry used to be interested in history, but he isn't any more.
(ハリーは以前は歴史に興味をもっていたが、いまはもっていない)

We're eating out more than we used to. (LDCE 4)
(私たちは以前よりもたびたび外食している)

Life here is much easier than it used to be.
― 「OALD」

江川(同書)によると、used to は常に「現在と過去の対比」を意識している表現だそうです。

本書は旧版においても、used to には現在との対比が含まれていることを強調しておいたが、その根拠は次のような Crowell(Index, p. 392)の解説にある。

USED TO : To ecpress an action which was repeated or was habitual in the past but which occurs no longer. Contrast with the present time is always implied, if not expressed.
(現在ではもはや行われなくなった過去の反復的または習慣的行為を表すために[つかわれる]。文中に示されていなくても、常に現在との対比を含みとしている

「English grammar in Use」の used to と would の定義を見る。

used to
Something used to happen = it happened reguraly in the past, but no longer happens.

We also use used to ... for things that were true, but are not true any more.

would
You can also use would when you talk about things that happened reguraly in the past.

used to には、

but no longer happens
but are not true any more

と、今は違う、と書いてありますが、would にはない。

使い分け、たいへんそう。
この問題は、のちほど。

used to の特徴その4

used to は客観的。

田中(同書)より。

used to は<客観的な立場から見た習慣>を表すのに対して、would は<個人的・主観的な立場から見た習慣>を表す。

だそうです。

used to が使われている例を。
Dale Carnegie 「How to Win Friend & Influence People」より。

Theodore Roosevelt said that when he, as President, was confronted with a perplexing problem, he used to lean back and look up at a large painting of Lincoln which hung above his desk in the White House and ask himself, "What would Lincoln do if he were im my shoes? How would he solve this problem?"

【拙訳】セオドア・ローズベルトは言った。大統領の任に就いていた時代、頭を悩ますほどの問題に直面したときには、ホワイトハウス大統領執務室の椅子に深々と腰掛け、机の前の壁に飾られている大きなリンカーンの肖像画を見上げながら自問しすることがよくあった。「リンカーンがもし自分の置かれている状況にいたならば、どう対処したのだろうか? リンカーンならどのように問題を解決したのだろうか?」

used to が使われているのは、Carnegie が Roosevelt について "客観的に" 書いているからか?
もし、Roosevelt が書いたならば、

I would often lean back ・・・

となるのか?
ん・・・そう書いたのか、used to を使ったのか、それとも、どっちも使わなかったのか?
このいずれかであったのは間違いないことだけは、間違いない。

used to の特徴その6

used to は状態動詞も動作動詞も可。

状態動詞とはなんぞや?を簡単に言うと、have とか know とか普通は進行形にしない動詞。
動作動詞は普通に進行形にできる動詞。

安藤(同書)より。

used towould の違い:
どちらも過去の習慣的動作を表すことが出来るが、過去の状態を示すことができるのは、used to だけである。

When I worked on a farm, I always used to get up at 5 a.m.
× When I worked on a farm, I would always get up at 5 a.m.
(農場で働いていたときには、いつも午前5時に起きたものだった)

I used/× would have an old Rolls-Royce.
(私は以前古いロールスロイスをもっていた)

used to は、無生物とも共起できるが、would は人主語としか共起しない。
That Chaina restaurant used to/× would be a cinema.
(あの中華料理店は、もとは映画館だった)

田中(同書)より。

used to は<状態動詞>とも<非状態動詞>とも結合するが、would は通例、<非状態動詞>とのみ結合する。
※非状態動詞 = 動作動詞

なぜ would は状態動詞と馴染みにくいのか?

would 例文をいくつか。

When we worked in the same office, we would often have coffee together.

On summer evenings they would sit out in the garden.
― 「LDOCE」

When my parents were away, my grandmother would look after me.

He'd always be the first to offer to help.
― 「OALD」

When we were children, we lived by the sea. In summer, if the weather was fine, we would all get up early and go for a swim.

Whenever Richard was angry, he would walk out of the room.
― 「English grammar in Use」

最初の例文の「would often have coffee」は状態動詞ではありません。
この have は普通に進行形になれる動作動詞。

'Where's Mark?' 'He's having a shower.'
― 「English grammar in Use」

I was having a dream in English. (Hemingway, A Farewell to Arms)
― 安藤(同書)

さて。

こうやって would の例文をいくつか見ると気づくことがあります。

それは、頻繁に行われたとしても、その行為1回1回はそんなに長期間ではない、ということ。

杉山忠一(著)『英文法詳解』によると、

used to が相当程度の期間にわたり習慣的に、そして通常規則的に、くり返される動作、または継続的な状態について用いられるのに対し、would は短周期または瞬間的に終わるような動作が時おり(不規則に)反復される場合に用いられる。

もちろん、will も習慣を表すことがある。
COD(11th) の定義。

expressing habitual behaviour.

例文。

He will sit for hours doing nothing.
彼はよく何もせずに何時間も座っている。
― 杉山(同書)

この will は話者の「意志(意見)」でしょう。
will に強勢を置くと、非難の意味が出る。

<習性・特徴>の will に強勢を置いて、主語の特徴的なふるまいを非難することができる(Swan 1995 : 627)
― 安藤(同書)

LDOCE(4th)では、この非難の意味の will しか定義がない。

ANNOYING HABIT spoken to describe someone's habits, especially when you think they are annoying:
Trish will keep asking damn silly questions.

ちなみに、過去の習慣を表す would にも非難の意味もある。

would に強勢を置いて、人の過去の特徴的行動を非難することがある(Swan 1955:633, MED s.v. Would)。
― 安藤(同書)

話がそれました。

なぜ would は状態動詞と相性が悪いのか?

個人的な意見(小3レベルの感想)。

On summer evenings they would sit out in the garden. のように、would が使われている英文では、1回1回の行為にかかる時間は、比較的短い。
その理由は、sit, look のような動作動詞は、その行為は短期間で終わるものが多いからでしょう。

一方、have, know, like なのど状態動詞には、基本、長期間、変わらないことを意味する。
もちろん、I love you. が I loved you. になれば、愛は終わったことになるが、それは意味が変わっただけで、love のもつ基本概念は変わらない。

LDOCE(4th)の would の定義。

PAST HABIT  used to say that something happened often or regularly in the past.

定義の中の used は「~するために to do」に使われるということで、習慣の used to とは違います、念のため。

「English Grammar in Use」の解説。

You can also use would when you talk about things that happend regularly in the past.

どちらにも共通するのは、

happend regularly in the past

regularly にカギがありそう。

LDOCE(4th)の 定義。

at the same time each day, week, month etc.

at the same time はきっちりしすぎの感がある。
OED では定義に constantly を使っています。

LDOCE(4th)の定義2は「often」。
ちなみに often の定義。

If something happens often, it happens regularly or many times.

would の定義をもう一度。

PAST HABIT  used to say that something happened often or regularly in the past.

状態動詞が often や regularly に起こることってあるだろうか?

たとえば、定期的に、誰かを好きになるとか。
あっ、そういう人もいるか。

The castle stands on a hill.
― 安藤(同書)

これは regularly または often に起こる出来事だろうか?

基本、状態動詞はある程度、長い時間を前提に成り立つ動詞。
状態動詞と would の相性が悪い原因は、このことにあるのだと思う。
もちろん、個人的な意見ですけど。

しかしどの英文法書にも、

状態動詞には would を使わず used to を使う。

のようなことは書いてあるが、なぜ?については全く書かれていない。

いや、注意して読めば書いてあった。これまでに引用した説明文。

would は比較的限られた時を表す語句と共に用いられる。
― 研究社「英和大辞典」

would は通例、<非状態動詞>とのみ結合する。
― 田中(同書)

would は短周期または瞬間的に終わるような動作が時おり(不規則に)反復される場合に用いられる。
― 杉山(同書)

一見、決まり事だから、と書いているように思えるが、なぜ?と疑問を持って would の例文を見れば、動作動詞ばかり使われている。
じゃあ、なんで動作動詞ばかりなの?

と、疑問につぐ疑問を持って調べれば、だんだん分かってくる。

would はなぜ状態動詞に馴染まないか、自分なりの解釈を書きました。
その当否はともかく、疑問を持ったら自分で調べる大切さを痛感。

しかーし!

綿貫陽・マークピーターセン(著)『表現のための実践ロイヤル英文法』で、かのマーク・ピーターセンさんはこう言っている。

 日本では、過去の習慣を表す wouldused to との大きな違いとして、「used to とは違って、would は〔状態〕を示すことはできない」などのように教えられているようであるが、こうした大ざっぱな片づけ方は深い誤解を招きかねない。
確かに最も単純な場合、たとえば、「前は、町の南部に住んでいた」という場合であれば、I used to live on the south side of town. がちょうどよいのに対して、I would live on the south side of town. とは言わない。
ところが、これほど単純でない場合、とりわけ過去の中の「当該時期」がはっきり限定されている場合、たとえば「あの頃は、白人はたいてい町の南部に、黒人はたいてい北部に住んだりしていた」というようなことであれば、Back then, the whites would generally live on the south side of the town, and the blacks would generally live on the north side. というように、would を使って表現することはごくふつうである。
この現象は believe や know, hate など「通常は進行形にならない状態動詞」にもよく見られる。
たとえば、「昔は椎茸(しいたけ)が大嫌いだった」という単純な場合なら、I used to hate shiitake. と言い、I would hate shiitake. とは言わないが、これに対して、「私が子供のころ、母はよく椎茸を食事に出したりしていたが、私は大嫌いだった」というような場合であれば、When I was a child, my mother would often give me shiitake, and I would hate it. のように、would を使って表現するのも普通である。
言うまでもなく、以上の2例は、the whites generally lived [used to live].... や、...gave [used to give me ..., ... I hated [used to hate] it. などのように表現してもまったく差し支えなしが、would を使うと、ただ単に「~していた」ではなく、前述の日本語対訳の「住んだりしていた」や「出したりしていた」のように、「~したりしていた」といった感じの文になるので、そうした感じを表したい場合に使うことは珍しくない。

順番に整理。

「前は、町の南部に住んでいた」という場合であれば、I used to live on the south side of town. がちょうどよいのに対して、I would live on the south side of town. とは言わない。

なぜか?

I would live on the south side of town.

その前に。

いわゆる「願望・推量」の would、「English Grammar in Use」流に言えば、imagine の would。

I would phone Sue, but I haven't got her number.
スーに電話をしたいんだけど [しようと思っているんだけど]番号を知らない。
― 「English Grammar in Use」 P.72

同じ理由で。

I would live on the south side of town.

これは、「町の南部に住みたいなぁ」という意味になってしまう。
つまり、丁寧な願望の would。

あるいは、こうも解釈できる。
言外に、

If I had money,)I would live on the south side of town.

がある、と。
つまり仮定法。「お金があったら南部に住めるのになぁ」。

もしくは、

If I were you,) I would live on the south side of town.
私なら、南部に住むのになぁ。

とも解釈可能。

上にあげた英文。

I used/× would have an old Rolls-Royce.
(私は以前古いロールスロイスをもっていた)

would ではなぜダメなのか。

I would have an old Rolls-Royce.

これも、

I would live on the south side of town.

と同じ理由。

ちなみに would を will に変えると、

I will have an old Rolls-Royce.
そうだ、古いロールスロイスを買おう(もらおう、盗もう)

となるのはご承知のとおり。
would にすると控えめな表現になる。

しかし、控えめにすると、仮定法となってしまう場合がある。

I used to [× would] like vegetables.
「ジーニアス英和辞典」

would がダメな理由は明白。

I would like vegetables.
幾つか(何種類か)、野菜が欲しいのですが。

と、この英文を見た(聞いた)人は100%、こう解釈するでしょう。

綿貫・ピーターセン(同書)より。習慣の would について。

used to と似ているが、would は過去のことを表しているとは限らず、仮定法の場合もある
そこで、文脈上過去の話であることが明白でない場合には、過去の時を示す副詞語句を添えるほうがよい。
また、used to と違って、would には特に現在と対比するニュアンスはない。

杉山(同書)より。

would には、過去の習慣を表すほかに種々のようほうがあるから、前後関係上まぎらわしくなる場合には用いられない。

ほんと、would はやっかいな単語の代表格。
前後の文脈がわからないと理解不能に近い。

I would love you.

これを解釈するか。

好きになっちゃいそう。
好きになってもいい?
(お金があれば)愛してもいいわ。

など、いろいろが解釈ができる。
would はムズイ。

それはともかく。

would 状態動詞も OK だというピーターセンさんの言葉をもう一度。

とりわけ過去の中の「当該時期」がはっきり限定されている場合

なら would が使えるという。

そして、

たとえば「あの頃は、白人はたいてい町の南部に、黒人はたいてい北部に住んだりしていた」というようなことであれば、Back then, the whites would generally live on the south side of the town, and the blacks would generally live on the north side. というように、would を使って表現することはごくふつうである。

私が子供のころ、母はよく椎茸を食事に出したりしていたが、私は大嫌いだった」というような場合であれば、When I was a child, my mother would often give me shiitake, and I would hate it. のように、would を使って表現するのも普通である。

こういう場合に would を使うと、

ただ単に「~していた」ではなく、前述の日本語対訳の「住んだりしていた」や「出したりしていた」のように、「~したりしていた」といった感じの文になるので、そうした感じを表したい場合に使うことは珍しくない。

たり?

would を使うと、そういう感じになるのかなぁ。
その違い、自分にはわからぬ。

江川(同書)より、

(When I was a child,) I used to like chocolate.
(チョコレートが好きでした)
When I was a child, I would like chocolate. <誤り>

used to には When I was a child のような過去を示す語句がなくても使えるが、would は過去を示す語句がないと(もしくは前後関係から過去であることが自明でないと)使うことができない。
これも両者の相違点の1つである。
なお、単独の I would like chocolate. は正しい文であるが、「私はチョコレートが欲しい/食べたい」となってしまう。

「たり論」に従えば、

When I was a child, I would like chocolate.

は、

子供の頃は、チョコレートを好きだったり、好きでなかったり、だった。

となるのか?
ん・・・・。

「たり論」の解明の前に、used to と would の違いを、これまでに引用した田中実『英語構文ニュアンス辞典』をまとめてみます。

1・used to は<必ずしも反復を示すわけではない>が、would は<反復を示し、よく・・・したものだ>という意味で often とともに用いられることが多い。

2・used to の表す習慣は<過去におけるある一定の時間の広がりがある>のに対して、would の表すその期間は通例、<短い>ものである。

3・use to は<以前は・・・であったが、今は・・・でない>というように、よく<過去と現在の対比>を示すことがあるが、would はそうした<過去と現在の対比>を強調しない。

4・used to は<状態動詞>とも<非状態動詞>とも結合するが、would は通例、<非状態動詞>とのみ結合する
※非状態動詞 = 動作動詞

5・used to は<客観的な立場から見た習慣>を表すのに対して、would は<個人的・主観的な立場から見た習慣>を表す。

4の「通例」、目立たぬよう書かれているが、案外重要ですね。

「通常」ということは、「例外的に、状態動詞とも結合する」。

それは、「たり論」のこと?

「たり論」、「~したり」の裏には「しなかったり」がある。

この「たり論」、ある意味、「happend often or regularly in the past」と通じるものがある。

When I was a child, my mother would often give me shiitake, and I would hate it.

ピーター少年が嫌いな椎茸が食卓に並んだりしたことがあった。

でも、ピーターセン少年の椎茸嫌い(I would hate shiitake)は(その当時)不変のことだったはず。
「happened often or regularly in the past」に当てはまるだろうか?

考えられるとすれば、最初の would が「たり論」で、I would hate shiitake. は最初の would につられて、正確に言えば、習慣が確定したので、would も可、ということなのか?

というか、would often give の give は状態動詞ではないから would でも可能なのは当然なのだが。

動作動詞が would と相性がいいことは、今までに書いてきたことで分かってもらえるはず(?)
would の例文を書いたところを読んでください。

とりあえずここで、would が使われている例を再び「How to Win Friend & Influence People」より。

George B Johnston of Enid, Oklahoma, is the safety coordinator for an engineering company. One of his responsibilities is to see that employees wear their hard hats whenever they are on the job in the field. He reported that whenever he came across workers who were not wearing hard hats, he would tell them with a lot of authority of the regulation and that they must comply. As a result he would get sullen acceptance, and often after he left, the workers would remove the hats.

【拙訳】オクラハマ州イーニッドに住むジョージ・B・ジョンストンは、ある土建会社の安全管理の責任者であった。責務の重要なひとつは、従業員が現場で働いているときには、必ずヘルメットを被るよう注意することだった。ジョンストンの報告書には次のように書かれている。ヘルメットを被っていない作業員を見かけると、社内規定という大いなる権威を傘にして、規定に従わなければならないと必ず忠告した。すると、決まって作業者らはしぶしぶヘルメットを被りながらも不機嫌な顔をした。しかも、ジョンストンが立ち去ると、社業者たちはヘルメットを脱いでしまうことさえ何度もあった。

杉山(同書)より。

used to は、would よりもくだけた言い方で、事実を単に事実として客観的に述べるにとどまるが、would には主観的な感心や感情が含まれるのがふつうである。

「主観的な感心や感情が含まれるのがふつうである」そうだが、上の英文で感情が込められているのか。検討。

As a result he would get sullen acceptance, and often after he left, the workers would remove the hats.

この2つには感情が含まれていそう。
would の主語は he (= Johnston)と the workers だが、would を使ったのは report を書いたジョンストン。
つまり、would はジョンストンの感情。

would に強勢を置いて、人の過去の特徴的行動を非難することがある(Swan 1955:633, MED s.v. Would)。
― 安藤(同書)

この、非難の would なのか?

最初の would は、作業者たちから嫌な顔をされた。
気分は良くあるまい。

2番目の would は俺がいなくなったら、奴らヘルメットを脱ぎやがった。
これもいい気持ちではない。

ん・・・微妙なところですが。

このあとの文で、「in a pleasant tone of voice」で作業員たちになぜヘルメットが必要なのかを説いたら、反応が変わった、と書かれている。

なら対比の used to を使ったほうがいいのではないか?
でも used to は客観的だという。
過去と現在を対比しながら、感情が入った表現にするには、used to も would も向かない、ということ?

As a result he always used to get sullen acceptance ・・・

とかにするしかないのか?

get sullen acceptance で十分、読み手に感情が伝わりますから。

次の英文は used to と would が使われている英文、特に would の意味に注意。

ドストエフスキー 『罪と罰』の英訳、『Crime and Punishment』(Pengin Classics)
引用する英文の状況を語ると長くなるので、あっさりと。
飲んだくれの夫を亡くした婦人とラスコーリニコフとの会話。
もっとも、ラスコーリニコフの言葉はひとつも出てこないが。

'I expect you'are like all the rest, and think I was too strict with him,' she continued,turning to Raskolnikov. 'But you know, it's not ture! He respected me, he respected me very, very much! The man had a good, kind soul! And how sorry I used to feel for him sometimes! He used to sit looking at me from a corner, and I'd feel so sorry for him, I'd want to put my arms round him, but then I'd think to myself: "If you do that, he'll go and get drunk again," and it was only by being strict that I could do anything to restrain him.'

【拙訳】「あなたもほかの方々と同じ考えなのでしょうね。私が厳しすぎた、と」 そしてラスコーリニコフの方に顔を向け、話を続けた。「わかってくださるかしら。本当に違うんです! あの人は私を尊敬してくれていました。それはもう、心から尊敬してくださったわ! あの人は本当にやさしすぎたのよ! ですから不憫に思うことさえ何度も何度もありました! 生前、あの人は部屋の隅に座って私を見つめていることがよくありました。そんなときはもう、可哀そうでたまりませんでした。そっと抱きしめたくてしかたがありまりませんでした。ですけどそういう感情に駆られたときにはいつも思いとどまってよく考えました。『もしやさしさを見せたりでもしたら、あの人はきっとまた飲みに行って酔いつぶれてしまうに決まってる』 ですから厳しくするしかなかたのです。そうする以外は、私にはあの人が飲みにいってしまうのを止めることなんてできませんでしたから」

再び杉山(同書)より。

used to は、would よりもくだけた言い方で、事実を単に事実として客観的に述べるにとどまるが、would には主観的な感心や感情が含まれるのがふつうである。

「He used to sit ・・・」は事実を客観的に述べている感じがするが、「And how sorry I used to feel for him sometimes!」はどうだろうか?

すんごく感情が入っている感じがする文に思えるのだが。
それとも この feel は状態動詞だからか?
ん・・・。

それに、sometimes があるので、「たり論」を使い would でも可、なのか?

婦人が使っている would (会話なので 'd)は感情溢れる表現ですね。
亡き夫が椅子に座って自分を見つめていると、もう何度も何度も何度もそう思った。

田中(同書)より。

used to と would の両方が同時に用いられる場合、used to が先行して、would は後行するのが普通。

He used to go there with her. "Let's climb up the rock over there," he would say.
彼はよく彼女とそこへ行って、「向こうの岩によじのぼろう」と言ったものだ。

とあるが、引用した英文はこのルールに従ったのではなく、感情が入っているから、would を使った、のだと思います。

また、would は「過去と現在の対比」の概念がないので、would はちょうどいい。
このおしゃべり未亡人の会話時、飲んだくれの亭主は天国か地獄にいるのだから。

まとめ

この記事は前回の記事を書いてすぐに書き始めました。
1週間以上、この問題に付き合っていたことになる。まあ、3分の1は洋書からの英文探しに時間をかけていましたが。

しかし used to と would の違い、実に難問でして。前の日に書いたのを書き直したり、付け足したりで、支離滅裂なものとなってしまった。

まあ、理路整然とした記事など書いたことはないが。
そんなの書けないので。

状態動詞と would はなぜ相性が悪いか?
定義上、わかったとはいえ、本当の理由は、自分の理解の遥か彼方にある気がしてしょうがない。

だって、regularly にカギがあるのではないか、と書きましたが、used to の定義も、

Something used to happen = it happened reguraly in the past, but no longer happens.

なんですもん。全然解決していない。

そんなわけで。

まだスッキリとはしませんが、長くなったので、これにておしまい。

最後に。

杉山(同書)より。
used to と would の違いが分かりやすくまとめられている。
熟読されたし。

used to to would の相違点
どちらも過去の習慣を表す点で共通しているが、次のような相違がある。
(1)used to は、動作を表す動詞にも、状態を表す動詞(be, live, 感情に関する動詞などにも用いるが、would は状態を表す動詞といっしょには用いない。
つまり、次のような場合には would は使えない。

She useed to likesp tea.
お茶が好きだった(ものだ)。
There used to bea house here.
もとここに家が阿多(ものだ)。

(2)used to が相当程度の時期にわたり習慣的に、そして通常規則的に、くり返される動作、または継続的な状態について用いられるのに対し、would は短時間または瞬時的に終わるような動作が時おり(不規則)に反復される場合に用いられる。
しかし、かなりの時間を示す語句といっしょに用いられた would は、used to よりも反復の意味が強いほかは、たいして違わないように思われる。
いっぽう used to は、期間を表す語句《for two years (2年間)など》といっしょに用いられることはしない。

(3)used to は、would よりもくだけた言い方で、事実を単に事実として客観的に述べるにとどまるが、would には主観的な感心や感情が含まれるのがふつうである。

(4) used to は、昔はこうだったが現在はこうだ、という両者の相違を対照的に述べるのに用いられる。

(5)この用法の would は、過去を示す語句 ― たとえば When I was traveling with mother など ― を伴っていることが必要である。
そのほか、would には、過去の習慣を表すほかに種々のようほうがあるから、前後関係上まぎらわしくなる場合には用いられない。

コメント

from ArtSalt

ピーターセンさんの「たり論」はとりあえず放置するとして、「状態動詞は常に状態動詞であるわけではない」というのがキーだと思います。

When I was a child, my mother would often give me shiitake, and I would hate it.

の場合、hateは状態動詞というよりも動作動詞の匂いがあります。なぜかというと直前に

my mother would often give me shiitake

という、動作動詞giveを使った表現があるからです。「長期間hateし続けていたのではなく一時的にhateした」という感覚。

Back then, the whites would generally live on the south side of the town

の場合もそう。「長期間続いた状態」というよりも「一時的な状態」の感覚が強い。つまり状態動詞の感覚が弱い。言い換えると動作動詞の感覚が少しあると思います。

from Roy

wouldは過去の「(特定の条件)の時には、〜したなあ。」となんらかの制限された条件下のもとで行ったことを、少し回想的にに述べるときに使われるような気がします。”When I was a child, my mother would often give me shiitake, and I would hate it.”の例だったら、明文化されていませんが(whenever she had a chance (to get shiitake for meals))のような意味が込められています。特定の条件下の間でのみ行うことだから「状態」動詞のように永続的なものは使われないんじゃないかと思います。

from まさんた

ArtSalt さん、こんにちは。

そうですね。

状態動詞が常に状態動詞であるわけではない。

これはあるかもしれませんね。

When I was a child, on a certain day, my mother gave me shiitake, and I hated it.

この場合、hate は状態動詞と呼べるかどうか。
I hate carrots. とは明らかに違います。

When I was a child, my mother would often give me shiitake, and I would hate it.

は一回一回の積み重ねですから、この hate も動作動詞にかなり近いというか、動作動詞といってもいいかもしれませんね。

Back then, the whites would generally live on the south side of the town

も時間の長さは考慮に入れていない感じがします。
あの頃は「住んでいた」、というのを言いたいだけ。
そうすると、状態動詞の感が薄れるのでしょうか?

from まさんた

Roy さん、初めまして。

would は確かに「回想的」ですね。
used to と would、高校で習って以来、小説を読んでいて何度も出てきたと思いますが、いかにサラリと流していたか。

いざ、こうして記事を書いてみると、よくわかっていなかったことに気づく(今もわかっていませんが)。

状態動詞(stative verb)と非状態動詞・動作動詞(non-stative verb)、ネイティヴはこんなことで悩まないでしょうね。

この記事を書いて、いかに英語の根本の根本がわかっていないか、痛感しました。

from Chicago

×When I worked on a farm, I would always get up at 5 a.m.

とありますが、この場合どうしてwouldが使えないのでしょうか。
get upは動作動詞だと思っていたのですが…。

基本的なことで申し訳ありませんが、教えて頂けると助かります。

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