清水幾太郎(著)『論文の書き方』(P.81)より。
私たちは日本語に慣れ切っている。幼い時から、私たちは日本語を聞き、日本語を話し、日本語を書き、日本語で考えてきた。(中略)私たちは日本語に慣れ、日本語というものを意識していない。しかし、その日本語で文章を書くという時は、この日本語への慣れを捨てなければいけない。日本語というものが意識されないのでは駄目である。
ではどうすれば日本語への慣れを捨てることができるのか?
日本語を自分の外部の客体として掴むというチャンスは、普通は、私たちが外国語を勉強する時に訪れるものである。
たくさんの方がこのようなことを言っています。英語 vs 日本語の問題について。
続きを読む »英文の論理とパラグラフの論理 ~英語の論理、日本語の論理(2)
・・・「弟と代わりますから」という文を、日本人がなかなか英語に移すことができないのは英語という言語が常に自分と他者、I と you とを確認しながら発語される言語であるからである。英米人が I というときは、他者でも第三者でもなくゆるぎなくその存在価値を主張している自分自身なのであり、you というときは、自分自身の前にあって厳然とその存在を主張している他者なのである。
荒木博之(著)『日本語が見えると英語も見える』の一節(P.50)である。
英米人が I というとき、そんなに「ゆるぎなくその存在価値を主張している」のであろうか。
また、西洋人は the ego (自我)や identity を持っているのに対し、日本人にはそれがない(少ない)ともよく言われる。
果たしてそうだろうか。
続きを読む »I は自己主張する? ~英語の論理、日本語の論理(1)
外山滋比古(著)『ことばの四季』(中公文庫)にこんなことが書いてあります。
かつて、アーノルド・ベネットというイギリス人の書いた本で、、英語のことばのうち、いちばん美しいのは、pavement(ペイヴメント、舗道)だとあったのを読んで、つよい印象を受けた。
"美しい" というのが新鮮だったのである。
(われわれには、どうして、ペイヴメントがそんなに美しいのか、もうひとつピンとこないが......)
「いまひとつ」どころか、まったくピンときませんね。
何が一番「美しい」とか「響きが良い」というのは難しい。
英語の単語のうちで、何が一番「美しい」か、ではなく、何が一番「beautiful」か、なら「 beautiful」でしょうけど。
続きを読む »美しい英単語?
伊藤和夫(著)『英文解釈教室』の最初の例文。
The freshness of a bright May morning in this pleasant suburb of Paris had its effect on the little traveler.
この楽しいパリ郊外の5月の明るい朝のさわやかさが、小がらな旅人に影響した。
『英文解釈教室』が発刊されて30年以上経ちます。
この英文を読んだ人たちの多くは、「the little traveler」を少年だと思ってきたに違いない。
たぶん名前は「マルコ」。
肩には白い猿が。名は「アメデオ」かも。
母を探すために、三千里も旅し・・・。
が、がが!!
実は・・・。
この little traveler の正体を突き止める!という(どうでもいい)話。
続きを読む »『英文解釈教室』に出てくる little traveler って誰?
今回は洋書の一節を引用し、つれづれと意味無く書いてみようと思っています。「つれづれ」ではなく、「だらだら」になるのは確定ですが。
引用するのは Jeffery Deaver の『The Empty Chair』の一節。
保安官補(deputy)の エド・シェーファー(Ed Schaeffer)は川沿いの森の中に逃げた犯人を追っている。
犯人の足跡を見つけ、そのことを同僚のジェシー・コーン(Jesse Corn)に無線で連絡する場面。
He pushed the transmit button of his radio.
"Jesse, it's me. You there?"
"Go ahead."
He whispered, "I got footprints here. They were fresh. an hour old, tops."
続きを読む »やさしい英単語、つれづれと
二回目は、「直説法」。
それにしても、直説法(indicative mood)とは変な用語。
何が「直接」なのかわからない。
話してが自分の述べる文の内容を、そのまま事実として述べる場合に使う動詞の形が直接法である。
これは、肯定・否定とは関係なく、また事柄が実際に真実かどうかも関係ない。
― 「表現のためのロイヤル英文法」 P.189
・・・ふつうの文はすべて直説法なのであって、これは、仮定法と対立するものとして、名称だけを覚えておけばたりる。
― 「英文法詳解」 P.286
続きを読む »語源で考える英文法用語(2)~直説法(叙実法)
英文法用語は覚えれば便利ですけど、よくわからない用語がありますね。
「関係代名詞」とか、「不定詞」とか。
なんでそんな名前つけたの?、と思うことがあります。
語源から考える英文法用語、一回目は、「法」について。
「法」、英語 では、mood。
3つあります。
- 直説法(indicative mood)
- 命令法(imperative mood)
- 仮定法(subjunctive mood)
indicative, imperative, subjunctive ・・・イカツイ単語ですね。
続きを読む »語源から考える英文法用語(1) ~「法」って?
「さかな」は「魚屋(さかなや)」のように魚類一般を指す語として使われるが、一方では「酒のさかな」のように酒を飲む時に添えて食べるものの意でも使われた。
「さかな」は元来「酒菜」であって、「菜」は副食物の総称であった。
つまり「酒のさかな」の方の「さかな」が古い意味を残しているのである。
酒の席での料理には魚類が多く使われるので、次第に「さかな」は魚類と結びつきを強め、それまでの「いを」「うを」の領域にまで進出したのである。
これは江戸時代以降のことであったという。
― 倉岡節尚(著)『辞書と日本語』(光文社文庫 68-69頁)
面白い話。
日本人は明治までは豚や牛の肉を食べなかったですからね。
ウサギは食べていましたけど。鳥とみなして。
だから「一羽、二羽」と数える。
以上、余談。(余談で始まるのは変だが)
続きを読む »シェークスピア、想像力という名の辞書
ご承知のように、明治までは学問といえば漢文を読むことでした。
もちろん、最初は進んだ文化を取り入れるのが目的だったのでしょうが、遣唐使の廃止(894年)あたりからは、漢籍を読むのは純粋な "学問" に変貌する。
漢学は千年以上も続きました(今でも中国学・漢文学と名前を変え、続いている)。
自国語とまったく違う構造の言葉を習うのには、何か有益なものがある、と感じていたに違いない。
そうでなければ、そんなに長く続くはずがない。
教えられた漢文は何百年、何千年といった時の試練に耐え抜いたものばかり。
それを頭脳や経験を総動員して読むのですから、いろんな意味で有益なのは当たり前ですね。
続きを読む »英語の勉強、どうする?
HOME >2010年10月

