だから英文法に賛成する(1)~反「多読」英語勉強法

酒井邦秀(著)『さよなら英文法!多読が育てる英語力』という本に、次の話が書いてあります。要約すると、

M 君(中学一年生、小学六年のとき、一年間、イギリス人に入門英語を習っていた)。
◆四月から英語の多読を始め、夏休みには『Harry Potter and the Philosopher's Stone 』を読み終え、夏休みが明けてからスティーブン・キングの作品を次々と読み、十二月には、『IT』(44万語弱)を読んだ。

T 君(中学一年生、特別に英語を習った経験なし)。
◆七月から多読を始める。翌年の一月までに、シドニー・シェルダンのペーパーバックを全部読み、二月にはスティーブン・キングの『Firestarter』を読み終える。
―掲載 P259-260

この話は本当だと思う。そういう子も、世の中に存在する。

追悼・伝統英語教育?

英文法を教えず、辞書も引かせず、まず、こども向けの絵本から始め、徐々に易から難へ、という英語の多読法。

さらに、「子供に読み聞かせると良い」と酒井さんはおっしゃっている。

確かに効果はあると思う。
日本人が自然に日本語を覚えるプロセスに近いとえいば、近い。

だが、先に引用した M 君やT 君ほどの成果をあげる子が、何%いるだろうか?

M 君や T 君なら、どんな勉強法でも、英語が得意になったと思えてしかたがない。
いわば、天賦の才か。

千人の中学生に試して、M 君・T 君レベルとは言わないまでも、1年で大学受験レベルの長文問題をスラスラ読めるようになる子が果たして何人いるか?

1割を超えたら、伝統英語の崩壊、近し?

M くん以前にも高校2年生が発売されたばかりの(ハリー・ポッター)第3作を5日間で読み終えるのを「目撃」しました。その人の「3割しか分からなかったけれどおもしろかった」という感想をいまでも思い出します。
― 同書 P259

この子は、意味が分かった3割で全体の物語をつなぎ合わせたのでしょうが、それほどの推測力は自分にはない。

反「多読」英語勉強法

◆~以下、あくまでも、個人的な意見です。

昔、自分は読解問題や長文問題が苦手でした。
原因は、語彙力の絶対的な不足。
推測力がないので、辞書を引いてばかり。
結果、あきて読む気がなくなる。

英単語集を買って覚えようとしたが、チマチマ覚えるのも苦手。

アレも苦手、コレも苦手、というワケで。

しかたがないので、長文問題集から、10問選び、「今日から3ケ月はこの10問と一蓮托生」と決意。

何十問も長文問題をこなさないとダメだ、と思うから、1問1問の読みが雑になる。

10問と決めてしまえば、気持ちは楽に。
3ヶ月で10問なら、9日で1問読めばいい。

1問に1週間以上かけてもいいや、と思えば、1語1語、丁寧に調べる気になる。辞書を引くのも苦にならない。

英文に出てくる関係代名詞、仮定法などの英文法も、じっくりと調べる。

さすがに1問に1週間はかからないから、その10問は1ヶ月かからずに読み終えました。

調べつくしてある英文、2度目は読むのが楽になる。
それで、調べ直したり、音読したり、書き写したり。

10 の英文を、倦むことなく飽くことなく繰り返した結果、次の効果が。

◇日本語とは構造がかなり違う英語が、多少、身近に感じられた。
◇語彙が増えたので、新たな英文を読むのが楽になった。
◇丁寧に辞書で調べる癖がついたので、辞書を引くのが苦でなくなった。

少ない英文を辞書や文法書を頼りに丁寧に読む。
まさに、反「多読」な英語学習でしたが、効果はあったと思います。

といっても、自分は多読の効用を否定しているわけではありません。
というか、英語をたくさん読むことに反対する人などいないでしょう。

《続く》

コメント

from 匿名

この手の話はkidsに有効な学習法と中学生以上のadultに有効な学習法を混同していることから生じている。adultは最初に文法を学ばない限り正しく外国語を習得することは有り得ない。

from まさんた

>匿名さん。

ほんと、同感です。
もちろん、酒井さんの提案する「文法さらば、辞書引くな」という方法で英語が上達するかもしれませんが、大人はね。

ネット上では「多読派」が大多数。
でも、そういう方々は既に adult。
学校で英文法を習ったはず。
まして、「洋書を読もう」と思うくらいですから、英語が得意だったのでしょう。
そのひと言に尽きますね。

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