2010年5月17日 Posted by まさんた
切り取られた英文の意味は、決定不可能?
This dog is dangerous.
Don't play in such a dangerous place.
これは、中学生向けの辞書、『ハウディ英和辞典』の dangerous の例文です。
訳せ、と言われれば簡単でしょう。
辞書の和訳は、それぞれ次のようになっています。
この犬は危険です。
そんな危険な場所で遊んではいけません。
印された言葉は・・・
半世紀ほど前のことですが、J・L・オースティンなどが、言語行為(Speech act)という分析方法を考えました。
そのひとつに、コンスタティヴ(constative 陳述的)な読み方と、パフォーマティヴ(performative 遂行的)な読み方があります。
This dog is dangerous.
という英文をコンスタティヴに読めば、客観的に、
この犬は危険である。
パフォーマティヴに読めば、
この犬は危険だから、近づくな。
となります。
でもこの言語行為(Speech act)、さまざまな批判を受けました。
たとえば、この犬は危険ではないのに、話者がそう発言したら?
(本当は危険ではないが、)この犬は危険なので近寄るな。
という意味になります。
番犬注意!
BE AWARE OF THE DOG
という看板も同じかも知れません。
たいてい、吠えられても、まず噛まれることはない。
次の英文。
Don't play in such a dangerous place.
そんな危険な場所で遊んではいけません。
その場所は危険ではないが、話者がそこに重要なものを隠してあるので、そう発言したのかもしれません。
まあ、こういうことは、英語に限らず、どんな言語でも同じですけどね。
別に、こんな短い文章じゃなくても、同じことが起こります。
憲法を初め、法律でも、多種多様な「解釈」があります。
書かれた(印された)言葉は、その瞬間、書いた人の手から離れ、守ってくれる人がいなくなる。
この問題は、ソクラテス(プラトン著『パイドロス』)以来、議論されてきました。
プラトンを最近読んでいて、ちょっと思ったので記事に。
まあ、例によって、よく分からなかったですが。
分かったら、そのうち。


コメント
from みのり
こんにちは、
いつも楽しく読ませて頂いております^^
とてもコメントできるレベルにないので、
コメントは差し控えさせていただいておりましたが、
きょうは情報提供なので、つい^^
主さまの地下47階にある『英文読解講座』『英文和訳講座』
の新装復刊が決定したそうで、6月発売予定です。
ご存知でしたら失礼致しました^^;
2010年5月17日 23:45
from まさんた
みのりさん、はじめまして。
おおおおおおおおおおおお!
研究社のサイトを見たら、6月2日に新装復刊予定とありますね。
知りませんでした。情報提供、ありがとうございます!
『英文読解講座』について、
と(うろ覚えで)書きましたが、目次を見たら、「第6章 破格文の構造」との文字が。
英文法上、「これはおかしくないのか?」と悩んだ時期が1日ぐらいありましたが、「破格文の構造」を読んでスッキリしたことを覚えています。
うろ覚えで。
今週末に、また地下47階に潜ろうと思っていたところでした。
助かりました。
これからも極秘情報を極秘にコメントで教えて下さい。
2010年5月18日 18:04