2009年8月27日 Posted by まさんた
worth の用法
Rome is worth visiting.
ローマは訪れる価値がある。
―「カレッジライトハウス英和辞典」
これは次のように書き換えることができます。
- It is worth visiting Rome.
- It is worth while visiting Rome.
- It is worth your while visiting Rome.
- It is worth your while to visit Rome.
- It is worthwhile visiting Rome.
- It is worthwhile to visit Rome.
- Visiting Rome is worthwhile.
でも、次の形はダメ。
× It is worth to visit Rome.
ややこしいですね。今回はその話を。
worth は形容詞と前置詞の役割を持つ
worth はもともと、「金銭的に価値がある」という意味でした。
今でも使います。
This dictionary is worth fifty dollors.
この辞書が50ドルというのはもっともだ。
―「ヴィスタ英和辞典」
訳文を見ると、「もっともだ」となっています。
worth なしの、
This dictionary is fifty dollors.
この辞書の値段は50ドル。
とは少しニュアンスが違う。
worth fifty dollors は、50ドル出してもおかしくない、それだけの価値がある、ということ。
This clock is worth fifty dollors.
この時計は50ドルの値打ちがある。
《◆「金額に換算して50ドル」と「値打ちが50ドル」の2通りの意味がある》
と書いてありますが、実際に使われるのは、ほぼ後者の意味です。
たぶん。
さて。
Rome is worth visiting.
この worth は、形容詞?前置詞?という問題がありまして。
研究社『新英和大辞典』では、形容詞。
『ジーニアス英和辞典』では、前置詞、となっています。
簡単に言うと、形容詞として生まれたが、前置詞の性質を持つようになった英単語、ということ。
たとえていえば。
戦闘民族サイヤ人として生まれたが、地球に送り込まれ、いろいろあって、「オラ、地球育ちの孫悟空だ!」になった。
な感じ。
worth の用法を少しずつ整理
薬袋善郎(著)『学校で教えてくれない英文法』と、酒井典久(著)『英語のしくみが見える英文法』に詳しい解説があるので、以下、この二冊を参考にして書きます。
一番ややこしい形。
It is worth your while visiting Rome.
It is worth your while to visit Rome.
worth one's while は「時間をかける価値がある」。
one's while は、「前置詞化した」 worth の目的語。
前置詞は目的語として、名詞(句・節)を必要とします。
It は仮主語で、visiting Rome (to visit Rome)を指す。

さて、your を取ってしまいましょう。
ついでに、worth と while をドッキング。
It is worth while visiting Rome.
It is worth while to visit Rome.It is worthwhile visiting Rome.
It is worthwhile to visit Rome.
これも、上と同じ構造。
It が仮主語で、visiting Rome (to visit Rome)は真主語。
次に。
サクっと while を削除。
It is worth visiting Rome.
これも構造は同じ。仮主語 It と真主語 visiting Rome。
でも、
× It is worth to visit Rome.
while を取ると、to 不定詞はダメ。
なぜ?
調べても分からなかったので、慣用ってことで・・・。
入試などの正誤問題で、
It is worth to do.
の英文があったら、こっそりと、ひっそりと×をつけときましょう。
もう一度、この英文。
It is worth visiting Rome.
前置詞と化した worth は目的語が必要でしたね。
your while とか、while とか。
しかし、この英文には目的語がありません。
さびしくない? worth?
「仮主語をたてて、真主語に動名詞を置いた形では worth の目的語の while を省略できる」というとんでもないルールがあるのです。
―「学校で教えてくれない英文法」
ま、要するに、while の省略と解釈すべし、ってこと。
It is worth ( while ) visiting Rome.
次に。
幾多の戦闘に勝ち、覇権を握った Rome、先頭に出てきます。
Rome is worth visiting.
この場合、主語は Rome で、visiting は worth の目的語になります。
さらに、主語の Rome は visiting の目的語でもあり。
複雑な三角関係、ですな。
だから worth はややこしい。
でも、この「S is worth ~ing」が使われる頻度としては、一番のようです。
This food is worth eating. は次のような形でも表せるが、頻度数はぐっと少なくなる。
It is worth eating [to eat] this food. (この it は形式主語)
It is worth eating this food.
―「表現のための実践ロイヤル英文法」
さてさて。
何度も言うようですが、worth は形容詞出身、職業・前置詞。
前置詞の目的語、動名詞はOKですが、to不定詞は、ダメ。
という英語のルールに従うと、
× Rome is worth to visit.
正誤問題にこんな英文があったら、×をつけときましょうね。
それに、
× Rome is worth while visiting.
これも、×。
目的語が、2つになっちゃいます。
そのほかの注意点
下の英文で、おかしいところは?
His new CD is worth listening.
彼の新しいCDは聞いてみるだけの価値がある。
彼のCDなんて、聞く価値がない?
それは聞いてみないとなんともいえません。
仮にそうだとして。
そんな、聞く価値がないHis new CDなんて、最後尾に追いやると、
It is worth listening his new CD.
カーペンターズの名曲、
When I was young, I'd listen to the radio. Waitin' for my favorite songs.
to が必要。
His new CD is worth listening to.
彼の新しいCDは聞いてみるだけの価値がある。
―「ヴィスタ英和辞典」
入試問題、こういうことで、ひっかけようとします。
と、講師気取り。
最近、知り合いに英語を教える機会があるので、思わず。
ご勘弁のほどを。
そのほか、こんな注意点も。
次の英文を2通りに和訳しなさい。
It is worth climbing.
―「学校で教えてくれない英文法」
It が何を指しているか、が問題。
仮主語なら、
山登りにはそれをするだけの価値がある。
It が目の前にある、山や丘という、具体的なものだったら、
それ(=その山)は登るだけの価値がある。
あとは・・・この英文。
Visiting Rome is worthwhile.
worthwhlie には、注意点、なし。
S is worthwhile の S は、なんでも可。
worthwhile は、worth (your) while と分解しても、可。
Visiting Rome is worth (your) while.
さてと。
もう一度、この英文。
Rome is worth visiting.
こうも言えますね。
Rome is worth a visit.
名詞でも、名詞節でも、目的語になれます。
The verse is not worth what you paid for it.
その花瓶は君が支払った額だけの価値がない。
―「学校で教えてくれない英文法」
名詞のあとに付くworth
あと、意外と多いのは、名詞 worth ・・・ という形。
ミステリーの洋書から引用。
Any lawyer worth his salt knew the first offer had to be rejected.
デキる弁護士なら、オファーを受けても一度目は拒否するものだ、と心得ている。
―Jhon.Grisham「The Firm」
salt(塩)は、salary の意味、語源が同じ単語です。
その話は、またの機会に。
worth one's salt は「給料分の働きをする」から転じて、「有能な」と意味で使われることが多い。
『ヴィスタ英和辞典』にも同じような例文があります。
Any English teacher worth his salt knows that 'did' and 'go' combine to form 'went'.
しっかりした英語の先生ならだれでも did と go が結びついて went ができあがることは知っています。
「しっかりした英語の先生」と、「ダメな英語の先生」の判断基準は、go の過去形が went だと知っているかどうか、なの?
worth を使ったことわざ
最後に、worth を使ったことわざを。いっぱいあるけど、2つほど。
A bird in the hand is worth two in te bush.
手の中の一羽の鳥は、やぶの中の二羽の価値がある。
―「カレッジクラウン英和辞典」What is worth doing at all, is worth doing well.
なすに足る事なら立派にやるだけの価値がある。
―研究社「新英和大辞典」




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