英語の勉強法

英語を学ぶ身として、英語の学習法については興味をもっていました。

そこで今回は英語の学び方について。

といっても、自分が実践してきた英語の勉強は単純。

英文を読んでいて(英語を聞いていて)、わからなかったら辞書を引き、文法書で調べる。

昔からある古い英語の勉強法。

というわけで、自分の英語学習方は有益には程遠い。
ですから、有名な英語の使い手の方々が書かれた英語学習法の助けを借りて、英語はどのように勉強すれば良いのか、書いてみます。

はじめに

この記事を最初に書いたのは2007年6月9日ですが、改めて書き直しました(2010年10月10日)という切がいい日に。

3年も経つと、考えは変わる。
自分が思う英語の勉強法、どこが変わったのかというと・・・。

ん・・・ほとんど変わってない。

ただ、ここ数年、英語を教える機会がありまして。
特に去年からは毎週教えています。しかも基本、休日の土日に・・・。
もちろん、本職ではありませんが。

その経験をふまえ、記事を書き直してみました。
また、紹介した参考書や辞書は、3年の間に改訂されたりしたので、最新のものに改めました。

さて。

「英語の勉強法」といっても、この記事で扱うのは「英語を読む」ことを中心です。

なぜなら、自分は「聴く・話す」は苦手でして・・・。

英語を学ぶとは、リーディング・ライティング・リスニング・スピーキングの全てが一体となること、とは分かりつつも。

苦手なものは苦手。
努力が足らない、というか努力していない、というのが客観的な実情。

もちろん、「読む」についてもまだまだですが。

ところで。

英語を教えていて、「わかる?」と聞くと、たいてい、「だいたい」という返事が返ってくる。

「だいたい分かる」は、「分からない」より始末が悪い。
よく聞いてみると、「分かったつもり」で、実は分かっていない。

中途半端に理解する習慣がついてしまうと、なんでも「分かったつもり」で済ましてしまう。

何十人に教えているわけではないのですが、高校生は just や ever といった、見た目では簡単な単語を無視しがち。
聞くと、「辞書で調べたことがない」と、みな言う。
完了形のオマケの感覚のように考えているようで。

家庭教師なら志望校に合格するのが指名でしょうが、自分はあくまでもボランティアとして教えているので、将来、その子たちが英語を学び続けるかどうかは別として、「言葉」というものの面白さを分かってくれれば、と思って教えています。

教えるのは楽しい反面、怖いこともたくさん。
自分が英語を読んでいるときなら無視しそうなことを「質問されたら」と思うと・・・。
可能な限り、英文を調べ尽くす。

それでも、教えている途中、不安にる。
「ちょっと調べるから遊んでて」と一人で何十分も調べるはめになること、多々あり(ボランティアの特権です!)。

ほんと、自分の英語力、穴だらけなんですよね。
ひとりで勉強していると、穴が目に入らない。
教えて気づくこと、実に多い。

教(おし)うるは学ぶの半ば(なり) ― 「書経」

We learn by teaching.

そんな自分の、「英語の勉強法」です。

語学学習、どうする?

本題の前に、語学学習に関する話を。
※ 原文では大きな文字になっていません。

ご自身がフランス語とオランダ語のバイリンガルであり、そのほか英語も、日本語も(それもいくつかの方言まで)も見事に話されるグロータース神父が書かれた面白いエッセイのオチである、
 「さて、これまで言語について大学生たちに講演をする機会があるたびに、私はいつも『外国語をおぼえるコツを教えましょうか』と申し出たものです。学生は皆、喜んで鉛筆をもって構える。そこで私はおもむろに宣言します。『親を選ぶことです!』
 ― 千野英一(著)『外国語上達法』

これまでの外国語教育は、漢文教育などの伝統をとり入れたところもあって、かなり精神的、教養的であった。
実用英語がつよく主張されだすにつれて、こういう教養的語学はうとんじられる宿命になる。
先年、ある新聞が社会面で叫んでいたように、「シェイクスピアよ さようなら、英会話よこんにちは」ということになる。
本を読むのは誰でも読める。
これかれは耳と口をつかって学習するのがよろしいということになって、わが国でもこれがこのごろ大流行である。
外国の事情に詳しい人の話によると、外国語教育はいまや世界的にこの実用的口頭訓練中心の方法ですすめられているそうである。
外国は外国である
 ― 外山滋比古(著)『新学問のすすめ』

キリストは弟子に、相手の罪を七十たび許せといわれたが、辞書はキリストのようにわれわれの忘却の罪に対して寛容である。
何回同じことばを引いても、辞書はいやな顔をせずに答えてくれる。
このようにして何回となく同じことばを引いているうちに、そのことばの意味の全体が、いうなればそのことばに宿っている「ことだま」が、辞書からわれわれの心のうちに乗りうつってくる。
そうなるころには辞書はぼろぼろになるかもしれない。
私がラテン語を習った先生は、「三冊くらい辞書をつぶせ」といわれた。
それを聞いたときはびっくりしたが、いまになるとそのとおりだと思う。
だからといって早く辞書をつぶすために、わざと手荒に辞書をあつかってはならない。
たいせつにとり扱いながら、引きに引いてついにつぶれてしまうまで使ってやったら、つぶされた辞書も成仏するだろう
 ― 中公新書 『私の外国語』 山田晶 「ラテン語に親しくなる方法」

語原の研究をはじめると、実に興味は津々(しんしん)として尽きない。
言語というものに対する愛着が無限に深くなってくる。
日本語の語原の研究なども深くやったらどんなにおもしろいものか知れないと思う。
七度生まれ変わっても研究したいのは言語である、としみじみ思う。
 ― 田中菊雄(著)『英語研究者のために』

最後に、自分の座右の銘。

外国の書物は人に教わって読むようなことではいけない。
字引を引いて独(ひと)りでズンズン読むようでなければならぬ。

学問の道は涵養(かんよう)を尚(たっと)び、躁進(そうしん)速成を戒めるものである。

※涵養 - そのうち実が結ぶように、じっくりと底力を蓄えること。
※躁進速成 - 地に足をつけず、急いで達成しようとすること。

眠いと思ったら眠ればよいのである。
なにもねじり鉢巻で勉強する必要はない。
お花見がしたい、鳥の啼く声が聴きたいと思ったら、一升瓶をもって遊びに出るがよろしい。
窓をしめて一室に閉じこもることはない。
ただ、常に学問を念頭から離さなければよいのである。
そうすれば得るところが自然と深くなってゆくものである

朝(あした)に一語を暗記し、夕べに片言を暗誦し、拳々服膺(けんけんふくよう)すれば、日に月に学問が進む。

※ 拳々服膺 - 心に留めて忘れないこと。

これを積みかさねてひさしければ、耳目の触れるところ、みな暗記熟達していないところはなくなってしまうのである。
そうすればなんの書でも読めないものはなく、なんの業でも成就しないものはなくなるはずである。
 ― 高梨健吉(著)『文明開化の英語』に出てくる箕作阮甫(みつくり げんぼ)の言葉。

英文、どう読む?

ところで。

「英語を読む」といっても、千差万別。
精読もあれば、速読もある。
速読といっても、理解して早く読む、もあれば、「作者のイイタイコト」が分かればいい、という読みもあります。

ですけど、最初から「イイタイコト」が分かればいい、のような英語の読み方なんて、できるはずがない。
少なくても、ある程度内容のある英文を読む場合には。

受験生、もしくは、いわゆる大人になってからの「やり直し英語」に必要なのは、精読のみ、と思います。

なんて言いながら、自分は受験生時代、参考書におけるパラグラフ・リーディングの先駆者(?)、宮尾瑛祥さんの『宮尾の「アッと驚く英文解釈ルール」』なる本を買ったりしたんですが。

宮尾さん曰く、

ここに長文読解のルールを伝授しようと思う。
この一冊を読み進めていくうちに、英語のもつ論理的(ロジカル)な考え方に慣れ、どのようにして英文が構成されているのかをこの論理から学びながら、自然に楽しく、英語がマスターできるようにしたいと考えている。

「英語は論理的である」とよく言われますね。
対して、日本語は論理的ではない、と。

たとえば、名著、『英語入門講義の実況中継』の著者、瀬下譲(ゆずる)さんは、

「主語や目的語をいとも簡単に省略してしまうという意味では曖昧な言語である日本語のみに依拠するのではなく、論理的な英語の思考法を身につけて始めて(※ママ)国際的に通用する自己主張が可能になる」が持論。

なのだそうですけど、長い間ヨーロッパの共通語であったラテン語は基本、主語は省略される。

省略されるのには、省略される意味がある。
ラテン語では一人称単数(複数)、二人称単数(複数)、三人称単数(複数)によって動詞が格変化するという理由がありますけど、「分かるなら省略」というのも言葉の原理。

Emily is as pretty as Nacy (is pretty).

()内を省略しないと、しつこい。

日本語でも。

(お前が書いた)英語の勉強法、(俺は読んだけど)つまらな過ぎ。

()内がお互い了解事項なら、省略したほうがいい。
言葉にも、エコ。

それはともかく。

長尾瑛祥さん、こうもおっしゃっています。
※ 太字は原文のママ。

まず、英語より日本語で十分に読解する力がなければ英語もマスターできない
そのためには、これまでに培ってきた日本語の国語力がものをいうのであるから、自分の日本語を鍛えるつもりで勉強してほしい。

至言なり。

続き。

ある問題について、日本語でそのことについて考えたことのないものであれば、日本語でもなかなか言うことができないように、まして英語で読み進めていっても、その英語が何を言っているのか理解できないのはあたりまえのことである。

誰もが「これまでに培ってきた日本語の国語力」を土台にし、英語を読んでいるはず。意識しないとしても。

「国語力」には、たくわえた知識、常識も入れてもいいでしょう。

歴史でも哲学でも科学でも、日本語でその分野の本をたくさん読んでいないと、英語で書かれたものは読めないでしょうね。

逆に、その分野の知識を日本語で書かれた本で大量に蓄積していれば、英語でも読めるでしょう。

英語を読む土台は、日本語です。

英文法、どうする?

何かと批判の多い英文法。

なぜ学校英文法が効果をあげていないのか、國弘正雄さんが『英語の学びかた』で、とても的確に指摘されています。

日本人は文法、文法と言うから英語が出来ないのだと、久しく言われ続け、現在も盛んに言われているようですが、事実は全く逆で、「まだ文法の勉強が足りない」というのが真相のようです。文法の理屈や文法用語が足りないのではありません。訓練が足りないのです。

訓練が足りない、というのは全くそのとおりだと思います。

もちろん、訓練と言っても、練習問題をたくさんこなすことではありません。

例文を何度も声に出して読み、体に染み込ませる。
そして多量の英文を読み、聞く、ことを、國弘さんは、「訓練」とおっしゃっています。

予習も面倒だが、復習も負けず劣らず面倒。

最近、英文の暗記をしていますが、なかなか覚えられない。
頭の問題もあるでしょうが、訓練も足りない。
頭はどうしようもないとして、訓練はできないこともない。
今後はちょと気合を入れて「訓練」しよう。

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英文の暗記、どうする?

英文を暗記する効果については、ほかの方々も推奨しています。
『実践 英文快読術』の中で、行方昭夫さんはこうおっしゃっています。

...佐々木高政『和文英訳の修行』を再び挙げよう。
この本の冒頭に文法項目で分類した500の例文がある。
特徴は、例文はすべて英米の現代文から著者が集めたいきのよいものばかりで、著者が作ったものは一つもないということだ。
私は大学1年生の時この本に出会い、熱心な友人達と競争して500の例文を、まず英語から日本語へ、それから日本語から英語で口頭で言い、かつ正しく書けるように暗記した。

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『和文英訳の修行』の初版は1957年(現在は1981年の4訂版)。

内容の濃さは現在流通している英作文の参考書では群を抜いています。
まさに、「修行」するつもりで取り掛からないと、挫折する可能性大(ここに一人います・・・ただ、パラパラと読むだけでも、得るところ大)。

『英文和訳の修業』に挫折しそうな人にオススメなのが、綿貫陽、マーク・ピーターセン(共著)『表現のための実践ロイヤル英文法』に付いている、「英作文のための暗記用英文300」という別冊の暗記用英文集。

簡潔だが適切な解説、そして、英文法書本体ともシンクロしているので、英文暗記をしようと思っている人にはいいかも。

表現のための実践ロイヤル英文法 Amazon 楽天

また、姉妹書として、『表現のための実践ロイヤル英作文法 問題演習』という英作文の問題集もあり、上記英文法書と同じ構成になっているので、さらなる勉強にはいいでしょう。

英作文、どうする?

英作文はまず、基本英文の暗記から始めるべきだと思います。
いきなり和文英訳はお勧めできません。

斎藤兆史(著)『英語達人塾』にこんなことが書いてあります。

「とんでもなく筋の悪い英語」で書かれた、ある学生の論文を読んで、の話。

論文審査に臨んだとこのこと、執筆者たる学生にどう嫌味を言ったものかと思って発言の機会を窺(うかが)っていたら、同じく審査員として隣に座っていた同僚の大堀壽夫助教授が先に口を開いた。
「君ねぇ、見たことのない英語は書くもんじゃないよ」。
なるほど、うまいことを言うものだ。
もちろん、新語や造語を使うなという意味ではない。
紙面を埋めていたのはきわめて当たり前の単語ばかりなのだが、その並び方、結びつき方が珍妙なために、英語のリズムに乗ってすんなりと意味が頭に入ってこないのである。
いったん変な英語を使う癖のついた学生に英作文を仕込むのは、一から英語を教えはじめるよりもはるかに骨が折れる。
まずは、その体に染みついたおかしなリズムを忘れさせるために余計な手間がかかるからだ。

「君ねぇ、見たことのない英語は書くもんじゃないよ」。

たしかにうまい表現。

日本語だって同じでしょう。
「見たことのある日本語」の一部を変え、書いたり、話している。

加藤恭子(著)『こんなふうに英語をやったら?』より。

中学の教科書を覚えろとよくいわれますが、そこには、基本的な型が並んでいるわけです。
すらすら口から出てくるし、書けるようにもしておけば、どれだけの力になるかわかりません。
それに、一つの文章を覚えたならば、他の似た文章もいくつか出来る可能性が増えたことになるのです。

丸暗記というのは模倣ですから、人真似からはじまったわけです。
でも、こうした練習によって、多くの文章がすらすらと口から出てきたり、書けるようになったとしたならば、それはもうあなた自身のものなのです。
どうしてこの点を繰り返して強調するかといいますと、実は私自身、この点で長い間ひっかかっていたからです。
心理的なつまずきがあったのです。
自分で創り出したものではないものを、あたかも自分のものみたいな顔で得々としゃべるのは、いやだという―
でもね、考えてみると、これも何度もいってきたように、人間の言語そのものが、模倣から出発したものです。
私の書いているこの日本語も、もとはとえば私の創ったものではありません。
一人一人が独創的な言語を話したりしたら、お互いのコミュニケーションは不可能になります。
でも模倣の訓練を積み重ねて行くうちに、それが自分の血となり肉となった段階で、今度は、「自分の文章」が書けるようになるのです。
英語においても、もちろんそうです。

英語はあくまで、「外国語」。
オリジナルな英文を作っても、ほめられる可能性は低そうです。

そういえば以前、名前は忘れましたが、とあるキャスター(newscaster)がネイティヴの記者(キャスター?)と中継で話していました。不眠症がアメリカで広まっている、という件で。

そのとき、日本人のキャスターが、「早く sleep it down すればいいですね」と言ったところ、ネイティヴの記者が「うまい表現だ」と。

たしかにうまい表現。

けれども、オリジナルでナイスな英文なんて、そんな簡単には作り出せない。

やはり、体内に吸収した(丸暗記した)英文を素材に英文を書くべきでしょうね。

ですから、まずは、整序英作文(英単語を並び替えて英文を作る)や、穴埋め問題での英作文をやるほうがいい。

最近読み直して、上記『表現のための実践ロイヤル英作文法 問題演習』や伊藤和夫『英語構文詳解』の素晴らしさに気づきました。

どちらか一冊、やってみるといいと思います。
『英語構文詳解』は、カタイ英語の感はありますが、理論的かつ網羅的。
『表現のための実践ロイヤル英作文法 問題演習』は網羅的ではありませんが、マーク・ピーターセンさんの解説が面白く、役に立つ。

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正しい英文を体内にため込み、そのあとに和文英訳にチャレンジ。

英作文で一番難しいのは、主語を何にするか。

簡単な例ですけど、

何か質問はありますか?

日本語では主語を省略することが多いので、どうしても「質問」に目がいってしまう。質問を主語にして、

Is there any question?

文法的には正しく、意味も通じるでしょうが、「何か質問というものがあるのか?」のような感じ。

正解はもちろん、

Do you have any questions?

質問は一つとは限らないので、この場合、複数に。

「主語を何にするか」について、『英文和訳の修業』より引用。

英文をつづる際まず第一に考えねばならぬことは、一つ一つの文の構成のしかた、すなわちいかなる語を主語としそれについて叙述を進めて行くか、である。
主語のとり方一つで文全体の姿がきまるからである。
たとえば

「この歌をきく度に、あの楽しかったころを思い出します」といった簡単な内容の文でも
「私」を主語とすれば

Every time I hear this song, I think of those happy days.

I cannot hear this song without being reminded of those happy days.

などとなるし、「この歌」を主語とすれば

This song fails to bring back to me memories of those happy days.

といったところが浮ぶし、「あの楽しかったころ」を主語とすれば

Those happy days live again in my memory whenever I hear this song.

と姿を変え、「思い出」を主語とすれば

Memories of those good days always return [come back] to me with this song.

あたりに収まるといったぐあいである。

どの行き方をとるかは、諸君の考え方の癖とその時々の英語の学力次第でそれぞれの場合に決定されていく。
しかしへたな主語のとり方をすると動詞に困り、目的語でゆきなやみ、修飾語句で手を上げて、結局 ungrammatical, unidiomatic, illogical な代物(しろもの)が出現することになる。
それゆえ平素からこの方面に注意を払い、練習も積んでおくべきである。

英文を読んでいるとき、意識的に、あるいは無意識に、主語を探す。
複雑な構文の英文では、主語がどれなのか分からないときもあります。
そうなると、その英文を解読するのに難儀する。

書く(話す)場合も、主語を何にするか、すぐ思い浮かぶことが大切。
英文を読んでいるときも、普段から主語に注意を払っていれば、書く(話す)ときに役立つはず。

英文法の軽視化

齋藤孝、齋藤兆史(共著)『日本語力と英語力』によると、現在の中学一年生は、こういう英語教科書を使っているそうです。

Demi : Two hamburgers and two colas, please.
店員 : Large or small?
Demi : Large, please.
店員 : For here or to go?
Demi : For here.
店員 : Here you are.
    That's five hundred and forty yen, please.
    (お金を受け取って)Thank you.

実用的といえば、とても実用的です。

これに対し、

兆史 生徒は「ハンバーガー店の店員は、品物を持ち帰るかどうかを、"For here or to go?"という表現で尋ねてくる」ということ以外、何を学んだのか。
 とりあえずは、英語圏の国に言ったとき、ファーストフード店で困らない。(笑い)
兆史 こういうものを教えるくらいなら、"He is a boy." や "She is a girl." のほうがずっとましです。

He is a boy.

This is a pen. と並んで「非現実的な」英文だ、と批判されます。

しかし、応用は利きます。

He is a con man. あいつは詐欺師だ。
She is a femme fatale. 彼女は魔性の女だ。

For here or to go? は、英会話や留学のために学ぶ表現でしょう。
こういう教科書で先生はどう教えるのか?

みなさん、アメリカでは or to go? を オア トゥ ゴー? ではなく、オルゴー? と発音されることがあるので注意してくださいね!
というのは英語には「リエゾン」というのがあり・・・とか?

こういう英文は、応用が効く表現ではない。
教えるとしたら、発音だけでしょう。
あっ、それがねらい?

兆史 日本人にいちばん合う学習習得法として、まず言葉の骨組みを知る文法の学習は、日本人の英語の学び方に合ったものです。

そして、

 文法の型を覚えるには、からだを使っての反復練習、つまり素読がいちばんですね。

だいたい、國弘正雄さん、行方昭夫さんと同じ考えです。

何度も繰り返す、たいへんですけどね。
どうしても先に進みたくなる。

新津信治・里中哲彦(共著)『たたかう英文法』に載っている、里中さんの話。

「話す」ということに関しては、國弘正雄氏の言う「只管(しかん)朗読」が役に立ったように思います。
意味のよく分かった英文を繰り返し読むってやつですね。
自分の内部にしみ入るほど読む。
このまえ國弘さんにお目にかかったとき、「先生は只管朗読とおっしゃっていますが、1つのものを何回くらい読んだのですか」って聞いたら、「中学の頃は、1つのレッスンを500回から1000回は読んだよ」って言うんです。
私なんかは、せいぜい10回程度。
力の差が歴然とでていますが・・・

1000回ですって!

英語の音読、どうする?

音読の効用は2つ。

  • 英語を体にしみ込ませる
  • 英語を話すときの抵抗感をなくす

黙読でも体内に英語を吸収できますが、10回黙読した英文と、10回音読した英文、原文を見ずに口に出したり書いたりすればわかりますが、音読したほうが断然、覚えています。

また、英語という "異物" を口に出すのは抵抗があります。
その抵抗感を薄めるのが音読。

毎日英語を話す環境にいるなら別ですが、何ヶ月どころか数日英語を口にしていないと、とっさに出てこない。

で、音読はいかにすべきか?

音読する際には、区切り(意味のかたまり)を意識する。

たとえば、Jeffery Deaver 「The Bone Collector」の冒頭、

When Edward Carney said good-bye / to his wife, / Pearcy, / he never thought / it would be the last time / he'd see her.

【訳】
行ってくるよ、とエドワード・カーニーが妻のパーシーに声をかけたとき、それが妻の顔を見る最後になろうとは夢にも思っていなかった。

ネイティヴと話すとき、自分はゆっくりと、区切りながら英語を話しました。

聞いているほうは、じれったかったかも知れませんが、一応、言っていることはわかってくれたと思います、願わくは。

それと。

気持ち良く音読する。← これ、大切。

George Orwell の『Ninteen Eighty-Four』の冒頭。

It was a bright cold day in april, ・・・

これを一語一語はっきりと発音しても気持ち良く読めない。

「It」 の t はぼかした感じで。「イ(ッ)」。
「was a ウォズ ア」は、つながって「ウォザ」。
「bright」の最後の t もぼかす。
r は日本語の「う」のように口を尖らす。

「cold day」は、d が続くので、「colday コーウデイ」のような感じ。
「in April」は、n と a がつながります。r は「ウ」のように口を尖らして発音。
n は「ン」ではなく、「ヌ」に近い鼻音、つまり口からではなく鼻へ抜ける音。
「イネイプロウ」。

イッ ウォザ ブゥライ(t) コーウ(d)デイ ィネイプロウ。

そのあとに出てくる、

in an effort ・・・

は、「イネフォー(t)」。

といっても、

check it up

を「チェケラ」と発音するのは、やり過ぎかと。
「Get out of here!」を「ゲララヒァ!」とかも。

「Sit down」は「スィ ダウ」、もしくは「セッ ダウ」でしょうね。

ここらへんは難しい。

リスニング、どうする?

音読とリスニングは表裏一体。

読む・書く・話す、は自らの行為。
スピードを変えることができる。

一方、「聴く」は受身の要素が強い。

実際の会話なら、相手はこちらのリスニング力を察して、ゆっくり話してくれることもありますが。

それでも言っていることが理解できないことがある。

先ほど書いた、

in April

大学に入りたての頃、ネイティヴの先生の授業がありました。

もちろん、ゆっくり話してくれたのですが・・・。

ネイプロウ

や、

エネイポ

と聞こえまして。

「エネイポ」って・・・なんぞや?

何度か聞いているうちに、

あっ! in April のことか!

と、悟りを開く。

黒船襲来並みの衝撃でした。

だって、in April は、

イン エイプリール

と発音すると思ってましたから。

経験上、ネイティヴはゆっくり話しても、発音しにくいようには発音しない、と感じます。

It is

は、「イティズ」となる。少し早いと「イリ(ズ)」。
「イッt イズ」とは言わない。言いにくいから。

what も「フワット」とは絶対言わない。

ワッ(t)

となる。

だから、ゆっくり話してもらっても、

What is ・・・

は、

ワッリズ

となるし、

What I ・・・

は、

ワッライ

となる。

It's difficulut.

は、

エッ デフェコォ。

と聞こえることも。

こういう(こーゆー)音声面での問題とならんで、リスニングが難しい理由がもうひとつあると思います。

日本で普通に英語を学んだ場合、目から入った情報で理解する。

目 → 脳 → 理解

一方、

耳 → 脳 → 理解

には慣れていない。
このような情報処理のメカニズムが脳内に出来てないから。

まして、「聴く英語」は直読直解。

リスニングの訓練はつらい。
えっ?わからない、ストップ!とはいかない。

また、途中まで聴き取れていても、分からないところが少しでも出たら、以降、まったく耳に入ってこない。
脳がショートし、音声を拒絶するのでしょうか?

ですから、まずは内容が分かっている英文を聴くのがいいかと。

そして分析。
消える音、つながる音、強く発音される音、はどれか。

それをマネ、音読する。

もうひとつの方法は、英文を見ないで聴く。
これはかなりイライラする。

ただ、実際の会話と違って、CD は嫌な顔ひとつせずリピートしてくれます。

自分は今、西蔭浩子(著)『英語リスニングのお医者さん』という本でリスニングの勉強をしています。

やさしい雰囲気の書名と違い、音声はほぼナチュラルスピード。

「introduction」にこう書かれています。

まず、リラックスしましょう。
「さあ、やるぞ!」と肩を怒らしていては聞こえる音も聞こえなくなってしまいます。
身体の緊張を解くことからリスニングは始まりますが、リスニングが嫌いになる大きな原因は「全部、聴かなきゃ!」という脅迫観念です。

 いいのです! 全部聴き取れなくても!

英語の音は日本語と違って、強くなったり弱くなったりしますから、強いところははっきり聞こえ、弱いところがはっきり聞こえないという傾向があります。
まず、はっきり聞こえるところから聴いてみればいいのです。

この本の CD を聴いても、自分は一回では全部は聴き取れません。
ほとんど意味不明なこともあります。

イライラ・・・。

気持ちを落ち着け、また聴いてみる。
やっぱり聴き取れない。

8割から9割理解できるまで何度も聴く。
そして、英文を目で見る。

どこが聞き取れなかったのか確認。
そして、また CD を聴く。

その繰り返し。

苦行は続く・・・。

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思えば、自分のリスニングの流れはこう、

耳 → 脳 → 頭の中で文字に変換 → 理解

耳で読む、という感じ。

早く、

耳 → 脳 → 理解

となりたいものです。

最後にもうひとつ。

ネイティヴや英米の旧植民地だった国では、耳では理解できるが、文字になると分からない、という人はたくさんいるでしょう。

一方、日本人の大多数は、目で見て分からないような英文は、耳で聞いても分からない。

つまり、リスニングの土台も、英文法や英文解釈。

その土台をおろそかにしては、リスニングの訓練は牛にラテン語を教えるようなものになってしまう。
※ OED (オックスフォード英語大辞典)の実質、最初の編集主幹であったジェームズ・マレーは、

彼は家族の酪農用の小さな牛の群れの一頭一頭にラテン語の名をつけ、呼んだら返事をするよう仕込んだ。
― サイモン・ウィンチェスター(著)『オックスフォード英語大辞典物語』

牛が耳で(目でもだが)ラテン語を覚えるより、日本人が英語のリスニングを学ぶほうが楽かもしれませんね。

時の試練に耐えた参考書

本屋の受験参考書コーナーに行くと、毎年毎年、新刊本の群雄割拠。

この中で、来年も本屋にあるのは何割か・・・

と思いながら眺めていますが、やはり文学などに限らず、時の試練に耐え抜く大変さは、参考書も同じ。

受験生の嗅覚、鋭し。
カラフルなイラスト、なんとなく良さげ、で騙せる?のは数年。

もちろん、新刊でも良いものはあるはず。
自分に合う、と思ったら買ってみるべし。
使ってみて、合わなければ、違うのを買えばいい。

評判の参考書でもそう。自分には合わないなら、ヤメるべき。

もちろん、ある程度使ってみたあと、ですけどね。
じゃないと、

どこかに存在するという、まだ見ぬ自分に合った参考書を探す旅

に出るハメに(自分はだいぶ旅しました・・・)。

それはともかく、受験生だけでななく、大人になって英語を勉強し直そうと考えている人も、TOEIC 用の参考書の前に、受験参考書を使うほうがいいと思います。

受験生時代のニガイ思い出はあるでしょうが。

受験向けでない「英語勉強本」は、「楽しく簡単に」を謳い文句にしていますが、即効性の効果は、速攻で無くなります。

まずは、英文法

まず学ぶべきは英文法。

次の英文は、Robert Lynd という、イギリスの名随筆家の一文。
難しい単語は一切ない。中学で習ったものばかり。
ですが、大学受験レベルの英文法をきちっと分かっていないと、理解は難しいでしょう。

There is, I am told, no greater happiness known on earth than that of a father who, after a party to which his children's school friends have been invited, can lie back in his chair and tell himself that he did not behave so badly after all.
― 上田勤 行方昭夫『英語の読み方、味わい方』より引用

can 以下の表現の妙を味わう前に、no greater あたりで、???となるかも。
さらに、関係代名詞 who のあとに、挿入句があり、その中にも関係代名詞があるし・・・

一般的な中学生では意味が分からないでしょう。
高校生でも難しいかも。

しかし、ある程度英文法を理解している子になら、時間をかけさえすれば、文法・構文的にも英文の意味をスッキリと理解させることは可能だと思います。

最初は目があっちにいったり、また戻ったりしながら考えることを繰り返し、最終的に「直読直解」にたどり着くのだと思いますが、どうでしょう?

さらに例を。

O Romeo, Romeo, wherefore art thou Romeo?

意味はすぐわかると思います。
有名なお嬢さんの言葉ですから。

知らない単語が3つほどあるかもしれません。

wherefore は、why。
art は今でいう、are。※正確には「二人称単数直説法現在形」。
thou は、今でいう you のこと。※正確には「二人称単数主格」。

これで、意味が100%分かる。

こういうのが英文法の力だと思うんですよ。

生理的に英文法(英語)を受け付けられない、という人もいるでしょうが、99%の人は、きちんと英文法を学べば、英語がわかるようになる。

前にも書きましたけど。
最近(どころかずっと前から)、中学や高校の授業では英文法の影がますます薄くなっているようです。

英文法の衰退、どうして?

江利川春雄(著)『日本人はどう英語を学んできたか』より。

1981(昭和56)年度時点での高校用検定教科書を数えると、英語会話が4種類だけだったのに対して、英文法は22種類も刊行されていた。
これが現場のニーズだった。
にもかかわらず、文部省は1978年の指導要綱改訂(1982年度実施)によって、カリキュラムから英文法を一掃してしまう。
1989(平成元)年改訂の指導要綱では、「外国語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てる」と定め、1998(平成10)年改訂では「実践的コミュニケーション能力」を謳っているのはご承知のとおり。
語彙も時間数も削減されて易しそうに見えるが、反復が少ないから定着しにくい。
英語との言語的距離が遠い日本のような特異な EFL 環境で、英文法の時間を廃し、オーラル重視に転換したことが正しかったのだろうか。
1993(平成5)年度から高校入試の英語学力は8年間一貫して低下し続けているという深刻な報告もある。

日本人は英語をどう学んできたか 英語教育の社会文化史 Amazon 楽天

中学・高校で6年間英語を勉強したのに、話せず、聞けず、読めず、書けず、という批判はさんざん聞きます。

当たり前なんですけどね。周りに英語があふれていない日本では。

副島隆彦さんは、こうおっしゃっています。

シンガポールやフィリピンや香港、マレーシアの人たちは、高卒ぐらいから上の人は、英語で生活している。
彼らの英語は、英米人からすれば、決して立派な英語ではないだろうが、それでも、英語として立派に生きて使われている。
彼らの英語は、言わば、地面から生えた英語である。
シンガポールや香港の人たちのしゃべる英語は、英単語のひとつひとつが体で分かって、自由に動き、自分の感情を表現しようとするときにピタリと決まっている。
前置詞や冠詞の使い方も、あまり間違わない。
ただ、語順が少し変だったり、強いナマリを含んでいることが多い。
しかし、それでも立派に通用して、英米人が理解できるそれなりの英語なのである。
それに対して、日本人の英語は、地面につっかい棒を立てて、その上にコンクリートのビルを建てたような破壊の危険性を持つ英語である。
何の実感も伴わない、'This is a pen.' 式英語の、やせこけた細々とした英語の基本理解の心許ない土台の上に、まるで、50階建ての英語知識の高層ビルを建てたようなものである。
なぜ、こんなヒドイことになったのかの責任追及がなされるべきだが、それは、この本の主旨ではない。
― 「英文法の謎を解く」

不肖ながら、責任追及させて頂きます。

原因は、日本はイギリスやアメリカの植民地にならなかったから。

もうひとつは、漢文の伝統により、読んで内容を理解する、ということに重点が置かれているから、も大きいと思います。

あとは基本動詞の軽視もありますかね。

controversy のような難しい単語を知っていても、have や get などの基本動詞の知識が少ない。
この点については後述。

話を英文法に戻します。

英文法の衰退、英文法の勉強は必要ない、とおっしゃられる方の声がよほど大きかったのか。
それとも時代のニーズだったのか。

オーラル重視で学力が下がったのに、オーラルへの需要はますます強くなっている。
不思議でしかたがない。

考えられるとすれば。

「オーラル重視、英文法軽視」論者の方は、生徒の英語力の低下にはビクともしない。
むしろ、好機と考える。
学力低下の原因は「オーラル重視が不徹底だからだ」と。

よって、ますます「オーラル重視派」の声が大きくなる。

さて。

「英文法不要」とおっしゃられる方々と、「英文法必要」とおっしゃる方々、どちらが説得力があるでしょうか?

※ 参照 拙記事。
英文法不要派の意見 - 「英語教育」批判について(まとめ)
英文法必要派の意見 - 語学習得の王道、されど、マネできず...

しかし、受験生もバカではない。
本屋に行けば、高校入試用、大学入試用の英文法の参考書がズラリと並んでいる。
英文法の大切さは良くわかっているのだ。

英文法の参考書、どうする?

むかし自分も使い、さらに最近の受験生に貸してみて、概ね好評だった参考書。

◆山口俊治(著)『山口英文法講義の実況中継』

その名の通り、実際に講義を聞いているように読める参考書。
20年以上も売れ続けている英文法書だけあって、とってもわかりやすい。
英文法の参考書に挫折しがちな人には、いいかもしれません。

NEW・山口英文法講義の実況中継 (上) 改訂新版 Amazon 楽天

◆薬袋善郎(著)『英語リーディング教本』

特徴は、徹底した品詞分解。
全ての語に対し、その品詞は何であるか表記し、また、それがどこに「かかる」か、矢印で示す。 また、名詞節は [ ]、形容詞節は ( )、副詞節は < > でに入れるなどの視覚で説明する、など。

ただし、細かすぎるほど品詞分解をするので好みは別れるかも。
あと、比較や仮定法などについては載っていないので別の参考書が必要です。

英語リーディング教本―基本からわかる Amazon 楽天

個人的にはこの2冊で英文法を学びました。

◆伊藤和夫(著)『ビジュアル英文解釈』

受験を終え、同著者の『英文解釈教室』(後述)を読んでスゴイなぁ・・・と思い、買った参考書。

文法、構文、英文読解の全てをこの一冊で学べます。

易から難へ、よくここまで体系的にまとめたな、と思えるほど、素晴らしい参考書。
この本も20年以上、バリバリの現役です。

ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ) Amazon 楽天

当たり前ですが、これらの本は自分が使ってみて良い参考書だと思ったものです。
何が良いかは、人それぞれですから、実際に本屋で何時間でも立ち読みして、自分に合いそうな参考書を購入するのが一番です。

参照用の英文法書

1ページ目から読むというより、参照用の英文法書も1冊はあったほうがよいと思います。

自分が主に使用ているのは、

◆『総合英語Forest』

石黒 昭博(著)
初級者~。
大学受験にはこれで十分かも。
高校生の間では英文法書といえば、これなのか?
教え子、みんな使ってます。

総合英語Forest 6th edition Amazon 楽天

◆『表現のための実践ロイヤル英文法』

綿貫 陽、マーク・ピーターセン(共著)
初・中級者~。
マーク・ピーターセンさんの128の「Helpful Hint」がとても面白い。

表現のための実践ロイヤル英文法 Amazon 楽天

◆『英文法詳解』

杉山忠一(著)
初・中級者~。
著者が「趣味は英語の例文収集」だけあって、適切な例文が実に豊富。
さらに、解説も細かいながらも、分かりやすい。
紙面がなんとなく目にやさしい。

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◆『英文法解説』

江川泰一郎(著)
中級者~。
1953年発行、1991年、改訂三版。
実に半世紀以上にわたって使用されている、『英文法書』の代表。
『英文快読術』の中で行方昭夫さんいわく、「私自身翻訳などに際して、およそ文法に関しては、この一冊で不足だったことは一度もない」。

英文法解説 Amazon 楽天

◆『現代英文法講義』

安藤貞雄(著)
上級者・英語マニア向け?
英文法でつまずいたときの最後の砦。
そして読み始めると止まらなくなる不思議な魅力。
現在、書店で買える英文法書としては、最高峰。
ただし、受験生向きではない。

現代英文法講義 Amazon 楽天

など。

自分が英文法書を比較した記事。
おすすめ英文法書比べ

ご参考になれば。

英単語・英熟語、どうする?

一行に3つ知らない英単語があったら、その英文は読めません。
というより、読む気がなくなります。

やはり知っている単語の数が多いほど、読むのが楽になるのはどんな言語でも同じです。英語でも、日本語でも。

渡部昇一さんと松本道弘さんの対談本、『英語の学び方』で雑誌「タイム」を読む際の単語力の重要さについて渡部さんはこうおっしゃっています。

英語を読む根本は、ボキャブラリーだということを、ぼくはもっと早く気づくべきだった。
ぼくはボキャブラリーを甘く見ていた。
考えてみたら、日本ではボキャブラリーは大学入試以来意識に上らないのですよ。
大学入試までは、単語を知らなきゃ入試問題ができないから覚える。
大学に入っちゃうと、知らない単語はいつでも引けるという感じなんです。
先生自身も、単語はいつでも引けるものと教えるんです。
ところが、土壇場になると単語力なんだね。
『タイム』は、知らない単語がドタドタ出たらもう読めない。
長い単語が考えるひまなくわかるぐらいでないといけない。

渡部さんのボキャブラリー増強の方法はあとで紹介しますが、その前に松本道弘さんの反論。

・・(略)・・『タイム』は単語が決定的問題になるとはぼくは思わないですね。
・・(略)・・『タイム』をどうしてやらせるかというと、とにかく読め、そのうち結果として単語がふえてくるというアプローチをとっているんですよ。

松本さんの主張は、とにかく読め

言い換えれば、辞書は引くな、ということです。
ただし、松本さんはこうもおっしゃってます。

『私はこうして英語を学んだ』の中で、四級までは辞書がぼろぼろになるまでやれ、と書いたんです。

松本さんのいう四級とは、『タイムを読む』という講談社現代新書によると、「英検三級はラクラクと合格」というレベルだそうです。

英単語集で単語を覚えるのは、個人的には、どうかなぁ・・・と。
英語の勉強で、あれほど苦痛な作業は他にはない、と思います。

一番自然で効果的なのは、英文法問題集を何度も繰り返し、ある程度の英単語・英熟語を覚えること。

有名な英文法問題集や、英語を教えている子たちが使っているものは、

◆『大学入試英語頻出問題総演習』上垣暁雄(著)

大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ) Amazon 楽天

◆『全解説頻出英文法・語法問題1000』瓜生豊・篠田重晃(著)

全解説頻出英文法・語法問題1000 (大学受験スーパーゼミ) Amazon 楽天

◆『基礎英文法問題精講』中原 道喜(著)

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◆『新・英文法頻出問題演習』伊藤和夫(著)

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◆『山口英文法講義の実況中継問題演習』山口俊治(著)

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◆『Forest 解いてトレーニング』石黒昭博(著)

Forest 6th edition 解いてトレーニング Amazon 楽天

これ以外でも、気に入ったものを何度も繰り返し、出てきた英単語・英熟語を覚えれば、読解問題・長文問題に入ったとき、「知らない単語の長蛇の列」は解消されるはず。

辞書について

自分は辞書を引く派、というより辞書を引くのが大好きです。

その反対に、英語を読んでいて知らない単語に出会っても辞書は引くな、とおっしゃる方もたくさんおります。
辞書は引くな派の方々の意見。

講談社発刊の『VIEWS』誌に、私は「辞書なし派」と紹介されている。
その理由を並べると、まず、辞書を引きながらでは時間がかかるし、せっかくの名文章でも、リズムをとらえながら読むことができない。
さらにまた、辞書には原語にもっとも近い(しかし同じではない)日本語が載っているのであって、本当の英語の意味は英語で理解するのがいちばんよい。
やってみればわかることだが、単語の二つや三つ分からなくても、読んでいくうちに文章の「大意」はつかめるものである。
同じ単語が十回も出てくれば、おぼろげながらその意味が分かってくる。
二十回も出てくれば、もう完全に「英語での意味」が分かるようになるから、「日本語での意味」は最後まで分からなくてもいっこうにさしつかえない。
-「外国語をどう学んだか」内の近藤直行氏のエッセイより

最初はわからなくても同じ単語に何回か出会うと意味がだんだんわかってくる、というのは自分でも経験があります。

次は河合塾講師の里中哲彦さんの話。

ペーパーバックを最後まで読みとおすのは、多くの英語学習者たちの夢です。
ですが、手をだしてみたものの、最初の数ページで挫折してしまったという人がかなりいるそうです。

なにかコツはないだろうか。

よく尋ねられる質問です。

正直、わかりません。
ただ経験上、「こうしてよかった」というのはあります。
それはまず、辞書を引きたいという誘惑に打ち克ったことです。
「わからない単語がでてきたら辞書を引きなさい」とは中学生の頃からよく耳にしてきた指導ですが、わからない単語がでてきたとたん、読むのをやめて、英和辞典に手をのばすのはよい読み方とはいえません。
辞書への依存心がついてしまって、気がつくと辞書と首っぴきになってしまっているというのはよく聞く話です。

これでは、「辞書を引くために本を読んでいる」といわれても仕方ありません。まさに本末転倒、「馬の前に馬車を置く」(put the cart before the force)ようなものです。

単語がわからなくても文章全体の主旨は読み取れるということはよくあることです。

お勧めしたいのは、前後の文脈、周囲の状況からわからない語句の意味を推理してゆくという読み方です。
-「英会話どうする?」

やはり辞書を引かずに読み進めるべきなのでしょうか?

上に引用したお二人の主張はもっともで、自分も異論はありません。

ただし。

辞書なし読書法はある程度の語彙数がある人には有効かもしれません。
しかし、裏返せば、辞書を引かなくても読める、ということ。
いわば、辞書なしのイロニー。

大学入試レベルの英単語を覚えたとしても、ペーパーバックを読んでいると、知らない単語が続々と出てきます、果てることなく。

ですが、大学入試に必要なくらいの英単語を覚えていれば、辞書を引きさえすれば洋書は読めます。

辞書は引くべきか、否か、の結論。

辞書なしでも、どうにかこうにか原書を読み通せるくらいの語彙がつくまでは、知らない単語を辞書を調べる。

これが一番無難なのではないのでしょうか?

自分がお世話になっている英和辞典は、

◆『スーパー・アンカー英和辞典』

ask 間接目的語直接目的語 や ask O O という文型表示ではなく、アンカーでは ask A B 「AにBを頼む」。とてもわかりやすい。

スーパー・アンカー英和辞典 第4版 Amazon 楽天

◆『ニューヴィクトリーアンカー英和辞典』

アンカー英和をやさしくした感じ。
受験にはこの辞書で十分かも。

ニューヴィクトリーアンカー英和辞典―和英・活用ガイド・CDつき Amazon 楽天

◆『ジーニアス英和辞典』

自分がメインで使っている辞書。
語法も詳しく、普通に洋書を読むにはコレで十分間に合っています。

ジーニアス英和辞典 Amazon 楽天

↓ イチオシ。

◆『アンカーコズミカ英和辞典』

持ってはいないのですが・・・。本屋へ行くといつも立ち読み。
素晴らしい・・・。
ただ、辞書には誤植が付き物。
ですから三刷以降のものを買うようにしています。
※参照 拙記事 - ジーニアス英和辞典1・2・3・4
『アンカーコズミカ』早く三刷されないかなぁ・・・。

アンカーコズミカ英和辞典 Amazon 楽天

以下、上級者向け。

◆『ジーニアス英和大辞典』

ジーニアスを詳しくし、語彙を増やした感じ。
英単語の語源もわかりやすい。

ジーニアス英和大辞典 Amazon 楽天

研究社『新英和大辞典』

伝統のある英和辞典の最高峰。
語源も詳しく、何より学問の匂いが漂う英和辞典。

新英和大辞典 第六版 ― 並装 Amazon 楽天

それから絶版ですが、

英英辞典も一冊あると便利。

◆『ロングマン現代英英辞典 第五版』(LDOCE)

ロングマン現代英英辞典 [5訂版] DVD-ROM付 Amazon 楽天

◆『オックスフォード現代英英辞典 第八版』(OALD)

オックスフォード現代英英辞典 第8版 DVD-ROM付 Amazon 楽天

少し上級者向けとしては、

◆『Concise Oxford English Dictionary』(COD)

語源も載っています。でも上の二冊のどちら持っていれば十分かも。

Concise Oxford English Dictionary Amazon 楽天

なお、英語辞典の使い方については、笠島準一(著)『英語辞典を使いこなす』に詳しく書かれています。

自分はこの本を読んで辞書好きになりました。

笠島さんいわく、

英語の疑問の90%は辞典の中に答えがある

英語辞典を使いこなす (講談社学術文庫) Amazon 楽天

英単語の種類

英単語といっても、三つくらいの種類があると思います。

その1.中学で習う、簡単な単語。

その2.中学英単語の難しいものから高校英語。

その3.大学受験を超えた難単語。

その1、中学で習う単語の、簡単な英語、というのは、get, give, have, do などの基本中の基本の単語のこと。

大ベストセラー『日本人の英語』の中でマーク・ピーターセンさんはこうおっしゃっています。

"get" という動詞は、run や put と同様に、数多くの「副詞」(away, across, over, along, out, off, up, down など)と組み合わせることによって、どんな意味にでもなりうる万能動詞のように思われる。私は,run と put と get くらいあれば、他の動詞をほとんど使わずに聖書の現代語訳でもできるような気がする。

ペーパーバックは受験で出る英文とは違って会話中心です。
そして、会話はほとんどやさしい英単語の組み合わせで出来ています。

特に、get, give, have, put, take などの中学で習う英単語は、簡単そうに見えるが、奥が深い。

ペーパーバックに出る会話は、この五語を含め、簡単な英語の組み合わせが大半です。

日本人の英語 (岩波新書) Amazon 楽天

基本動詞、どうする?

ケリー伊藤(著)『プレイン・イングリッシュのすすめ』を読むと、英米人がいかに簡単な英語でコミュニケーションしているのかがよくわかります。

たとえば、「老若男女を問わず、どなたでも参加できます」という告知文を、

Everyone can join regardless of age or sex.

などとせず、

Open to all.

とすればよいとしています。
こんな簡単な英語は、逆になかなか思い浮かびません。

自分が洋書のミステリーから拾った例文に、

Hospital Personnel Only

というのがありました。

日本語では「病院関係者以外立入禁止」となるでしょうか?

逆に、「病院関係者以外立入禁止」を Hospital personnel Only と英訳するのは相当な英語力がないと無理だと思います。

「プレイン・イングリッシュのすすめ」では61語の基本動詞と15の前置詞・副詞の概念と説明、それを使った例文が載っています。
今まで基本単語を「知っている」と軽視してきた方は一読してみるとよいと思います。
基本語の深さ、柔軟さ、便利さがよくわかります。

同じ著者の『英単語の使い方事典 基本動詞編』では、基本動詞124語と前置詞・副詞15語を扱っており、豊富な例文を読めば基本語の重要さが更に深く理解できると思います。

辞典ではわからない新 英単語使い方事典 基本動詞編 CD2枚付 Amazon 楽天

英単語集、どうする?

大学受験レベルの英単語を覚えるには、英文を読みながら出会ったら辞書を引く、というのが一番だと思いますが、市販の単語集で覚える方もいらっしゃるでしょう。

昔の単語集は英単語と意味の羅列でしたが、最近のは色々と工夫がされてます。
とはいえ、英単語を単語集で覚えるのは苦行そのもの。

やはり、英文法の問題集や英文解釈の英文の中で知らない単語が出てきたら辞書を引いて覚える、というのが一番と思うのですが。

受験生なら一冊は持っていたほうがいいでしょう、お守りとして。
いや、進行具合を測る、という意味で。

パラパラとめくり、身に覚えがある英単語がどれぐらいあるか、たまに調べるといいかも。

難単語、どうする?

まずは次の三つの単語がわかるでしょうか?

disheveled
repulsive
glib

まえに書いたように、渡部昇一さんの持論は、

最後には英語はボキャブラリーだ。

でしたが、渡部さん自身のボキャビル法を紹介します。

それから単語の覚え方ですが、私の痛い経験からいうと『ワード・パワー・メイド・イージー』といったボキャブラリー・ビルディングの本が絶対効果的です。
-「英語の学び方」

先ほどあげた三つの単語、

disheveled
repulsive
glib

は、実は『ワード・パワー・メイド・イージー(Wprd Power Made Easy)』の最初に出て来る単語力テストの問題の一部です。

このくらいのレベルの英単語は洋書にしょっちゅうとはいいませんが、たまに出てきます。

たとえば、それほど難しい英語を使うわけではない Jeffery.Deaver の「The Coffin Dancer」にもこの三語は出てきます。

Rhyme was a sight. His hair was disheveled, there was spittle on his chin, and his eyes were red.
【訳】ライムの姿はひどかった。髪はくしゃくしゃで、顎には唾が飛び散り、目は真っ赤だった。」

She scooted her chair closer and he detected a repulsive scent.
【訳】彼女が席を近くに詰めると、彼は不快な臭いに気づいた。

"Lonely. Just the sort to get suckered in by somebody with a glib tongue."
【訳】「(この女は)孤独。甘い言葉にだまされるタイプだ」

英単語を語源で学ぶ

『Word Power Made Easy』はギリシャ・ラテン語系の難しい単語を覚えようとするものです。

方法は、語源を使った、芋づる式。

misanthrope [ミンスロウプ]という英単語があります。
意味は、「人間嫌いの人」。

こんなの、つづりも難しくてなかなか覚えられません。
そこで、単語を分解します。

mis(o)-anthropos

mis(o)- というのは、ギリシャ語で「嫌う(to hate)」。
anthropos は、ギリシャ語の「人間」。

合体し、

misanthrope
ンスロウプ
人間嫌いの人

ここからが、芋づる式。

すでに述べたように、ギリシャ語 anthropos は、人間

そこに、「・・学(研究)」を表す logy をくっつけると、

anthropology
アンスロロヂィ
人類学

ほかに、logy「・・・学(研究)」を使った英単語に、

gynecology
ガイネロヂィ
婦人科医学

があります。

gynecology の、gyne はギリシャ語で、「女性」を意味します。

それに、さっきの mis(o)-「嫌う」をつけると、

misogyny
ヂィニ
女性嫌い

という英単語になります。

このように、ただ英単語の語源を示すだけでなく、語源のつながりを利用して、読んでいくうちにボキャブラリーが増えていくように工夫されています。
まぁ、ただ読むだけではなかなか覚えられませんが・・・

渡部昇一さんは「Word Power Made Easy」について、

これを半分やったら、『タイム』なんか見たときに、知っている単語がまるで違ってくるんですね。全然ひっからないです。
-「英語の学び方」

と、述べています。
確かにこれを一冊仕上げると単語力が飛躍的にアップするでしょう。

「でしょう」と書いたのは、自分は昔やりましたが、復習しなかったのでかなり忘れてしまいました・・・

ただし、やり遂げた頃には、今より数段、語彙力があったのは間違いありません。

たとえば、megalothymia という英単語。

これは Francis Fukuyama の『The End Of the History and The Last Man』という本に(斜体で)出てきました。

この英単語、いろいろな「英和大辞典」はおろか、かの OED (Oxford English Dictionary)にも載っていません。
Fukuyama の造語でしょう。

ですが、出会った瞬間、意味はわかりました。

語源でいうと、megalo- は「巨大な」。

-thymia は、「~な精神、意思」を意味します。

帝国主義などについて書いてあるページで使われていたので、「より巨大に、より巨大に、という精神・意思」という意味だな、と。

政治や哲学などでは、よく造語が出てきます。
そういう造語はたいてい、ギリシャ・ラテン語から作られる。

もう一度やるかな。
でも当然ですが、全て英語で書かれた本なので、説明などを読むこと自体が大変。

渡部さんもこうおっしゃっています。

あれ(※Word Power Made Easy)を読める人なら、本当ならやる必要もないくらいだもんね。
-「英語の学び方」

『Word Power Made Easy』の使い方としては、辞書なしでペーパーバックを読めるようになり、さらにスッキリ・スラスラと読めるようになりたいとき、ボキャブラリーUPの最後の仕上げとして、チャレンジするのが一番いい方法かと。

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英文解釈、どうする?

ある程度、文法、単語が身について、いきなり洋書にチャレンジもいいですが、読解力を鍛えるのも重要。

先に紹介した行方昭夫さんの『英文快読術』にこう書かれています。

さて英文解釈のために有用な参考書の利用のすすめに入ろう。
受験参考書というと、もういやだと本能的に嫌がる人もいるかもしれない。
受験時代にさんざん勉強し、大学合格と同時に捨ててしまった人もいるかもしれない。
でも、本当に十分にそれらの本を活用したのかどうか、もう一度考えてほしい、とせつに思う。

受験用の英文解釈本は、過去に大学入試に使われた問題から、何度も出題されたものを集め、解説を加えたものです。

大多数の大学では、入試問題は複数の出題者が相当の時間と精力をさいて、熱心な討議の末に選び抜かれたものである。
事実、過去何十回も出題された問題などは、何百人もの英語の専門家の鋭い目をパスした良問中の良問である。
-「英文快読術」

そして、

(略)一般に英文の正しい読み方を学ぼうとする大人にとって、この上なく優れた教材であるのは確実である。
こういう良問をよく学べば、非常に能率よく読解力が身につくと保証してよい。
-「英文快読術」

そういう参考書として行方さんは原仙作(著)『英文標準問題精講』や朱牟田夏雄(著)『英文をいかに読むか』などをあげられています。

英文は、どちらも小説を中心とした、有名作家が書いた名文ばかり。
そのぶん、少し難しいかもしれません。

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もっと易しい英文解釈本としては、先にあげた『ビジュアル英文解釈』も読解本としておすすめです。

ビジュアル英文解釈 (Part1) (駿台レクチャーシリーズ) Amazon 楽天

日本が生んだ誇るべき業績、英文解釈

外山滋比古(著)『新学問のすすめ』より。

わが国の英語英文学界の誇るべき業績の一つに英文解釈法があると言ったら、人々はびっくりするかもしれないが、必ずしも奇矯(ききょう)な意見ではない。
日本の英学界が世界に誇ることのできる学問的業績はまことに淋しいが、英文解釈法というものを研究しようということは夢想だにされなかった。
英文解釈法などという語すら学者の口にすべきものではないとされているかのようである。

当たり前ですが、英語と日本語は単語も構文も全く違う。

実際、初学者は、

My name is Taro.

という英文でさえ、最初はとまどう。

いわんや複雑な構文をや。

それを日本人が理解できるように体系化したのが、英文解釈。

英文解釈の歴史は長い。

...文明開化が一段落した明治中期以降になると、高給取りの御雇い外国人が日本人教師に置き換えられていった。
1903(明治36)年には、東京帝国大学英文科でラフカディオ・ハーンの後任に夏目漱石が就任した。
英文科ですら日本人教師の手で担えるまでになったのである。
英語を通じて欧米の先進的な文物を摂取する「英学時代」の終焉を象徴する事件だった。
 奇しくもその1903年に、本格的な受験参考書の先駆けの1つとなる『難問分類英文詳解』が刊行された。
著者の南日恒太郎(なんにちつねたろう)は、ハーンの弟子にしてハーン研究家だった田部隆次(たなべりゅじ)の実兄だった。
同書は過去の入試問題や教科書から難解なフレーズを含む短冊状の文章を1,189題も集めて体系化し、その改訂版である『英文解釈法』(1905年)などに引き継がれて英語参考書の「南日時代を築いた。
 ただし、入試英語の本格的な参考書としては早くも1894(明治27)年に井上十吉・磯辺弥一郎註釈『実用和文英訳教授書』(全2巻)が出ており、難句を分類・訳解したものとしては中村宗次郎著『受験必携英和難句詳解』(1898年)などが先行していたから、日本における本格的な受験用英語参考書が登場したのは19世紀末だったといえる。
 こうして、世紀の変わり目とともに、英語学習者の力点は原書の読破から頻出問題の暗記へとシフトする。
実学的な英学の時代が終わろうとしたそのとき、英語教育は「受験英語」に活路を見出したのである。
― 江利川春雄(著)『日本人は英語をどう学んできたか』

大正元年(1912)に発行され、幾度かの改訂を経て書店から消えてしまった、山崎貞(著)『新々英文解釈研究』。
最近「新装復刊」されました。
復刊されたのは昭和40年(1965)のものですが、現在流通している英文解釈の参考書と構成は同じです。

1・まず例文。
2・その和訳。
3・類例と注意点。
4・練習問題。

約100年前にはもう、英文解釈は完成の域に達していたんですね。

新々英文解釈研究(復刻版) Amazon 楽天

以来、星の数ほど英文解釈の参考書が発売され続けてきました。
その99%は消えていったことでしょう。

そんな中、モンスター『新々英文解釈研究』に取って代わったのが、伊藤和夫(著)『英文解釈教室』(1977年)。

今でも『英文解釈教室』は、「英文解釈」の代名詞のようです。
Google で「えいぶんかいしゃく」と打ち込むと、真っ先に出るのは『英文解釈教室』。

えいぶんかいしゃく

『英文解釈考』も出るとは・・・。

日本人、"本物の英文解釈" への嗜好性は失っていないようで。

『英文解釈教室』のような難しい参考書が30年以上、出版され続け、使われ続けているのはスゴイのひとこと。
でも読破率、どれくらいなのでしょう?

『英文解釈教室』の「はしがき」、とても良いですねぇ。

また、いわゆる公式が、so . . . that = 「非常に . . . なので」のように、単に日本語への言いかえを示すことで満足していることの背景には、漢文の摂取に見られた「外国語 → 日本語 → 事柄」という図式がある。
英語自体から事柄が分かること、つまり訳せるから分かるのではなく分かるから必要なら訳せることが学習の目的である以上、この方法に根本的な倒錯があることは否定できない。
 訳読中心の学習法を批判することは戦後の流行である。
しかし、批判者は新しい学習法として何を打ち出したのであろうか。
「英語で考えよ」と言われる。
だが、方法を考えずにただ考えよと言ったところで絵に描いた餅にすぎない。
「直読直解」と言われる。
たしかに読むに従って分かるのは理想である。
しかし、それはどのような頭の働きなのか、何を手がかりとし、どのような練習を積めばその域に到達しうるかの具体的道程を示さずに、念仏のように直読直解を唱えたところで初心者には何の助けにもならない。
「多読が重要である」と言われる。
だが、そもそも読むことができない者に多読と言った所で、それは多くを読んでいるのではなく多くを誤解しているにすぎない。
誤解の集積がどのような過程で正しい理解に転化しうるかの説明は聞けないのである。
訳読法批判の結果、現実にはわれわれは方法以前、つまり、「読書百篇、義おのずから通ず」の域に退行したのではないだろうか。
最近の文法軽視の傾向と相まって、現在の英語教育の成果はかつての訳読中心時代のレベルにも達していないのではないかとの危惧を著者は抱かざるを得ないのである。

伝統的な英語学習に対する批判は多いですが、それら全てを吹き飛ばすほどの説得力。
30年以上に書かれたものですが、今でもその説得力、迫力は失われていない。

余談ですが、改訂版では「多読といったで」が「ところで」、「危惧を著者は抱かざるをない」が「抱かざるをない」と平仮名に変更されています。
なぜ?
まあ、どうでもいいことですけど・・・。

「はしがき」や「まえがき」「あとがき」がきちんとしている参考書は本編もしっかりしているものが多い気がします。

英文解釈教室 Amazon 楽天

最近復刊された高橋善昭(著)『英文読解講座』も好評のようです。

個人的に思い入れがある参考書でして。受験のとき使いました。
難しい参考書なだけに、最後のページを終えたとき、感慨深かったです。
どれだけ理解したのかは分かりませんが、やり遂げたことが自信になりました。

英文読解講座 [新装復刊] Amazon 楽天

私的、長文恐怖症対策

ある程度文法も勉強した。でもまとまった英文を読むのに抵抗がある、という人もいると思います。
自分がそうでした。

知らない単語の行列。
覚えたと思っていても、再会したら「あなただれ?」となる英単語。
量をこなさなければ・・・という切迫感。

だから長文を読んでも中途半端で消化不良の感が増すばかり。

「量をこなさなければ・・・」というのが諸悪の根源。

そこを逆手にとって、やる長文の数を決めちゃえばいい。

3問なら3問、5問なら5問、10問なら10問。

そのかわり、暗記するぐらい読み込む。
長さは1ページ、長くても2ページぐらいがいいかも。
あまりにも長いと、早く終わさねば、というあせりが出る。

出てくる単語は辞書でじっくりと調べる。
辞書を読んでいる時間のほうが長いぐらいに。

和訳も考えに考えて作る。

そして、何度も何度も音読する。

そうして自分のものになった英文は、薄っぺらに読んだ100の英文以上の力となり、以後の土台となってくれる。

どんな英文を選べばいいかはその人次第ですが、難しいと感じる英文のほうがいい。

問題集を選ぶ際のポイントは、

解説が詳しい。

完全に理解した、と思えるには解説が重要です。

本屋で開店から閉店までねばって選べばいいでしょう。

小さな本屋だとアレなので、ある程度大きな書店で。

あくまで個人的な推薦書ですが。
川田拓矢(著)『川田流 英語のツボ』。

扱う英文はたったの3題。
余談あり、脱線ありですが、解説の詳しさはピカイチ(死語?)。

One lesson that life teaches as we grow older is that ・・・

の one の解説。

one この場合、one of lessons の意と、important の意が混合したもので、「1つの重要な」という意味である。
important の one は辞書には記載されていないが非常によく用いられるので、記憶しておくこと。

実に素晴らしい解説。
自分のレビュー記事 - 「川田流英語のツボ」川田拓矢(著)
どうも自分はこんな人間でして、なレビューですけど・・・。

川田流英語のツボ―熱血講義だ全員集合!! Amazon 楽天

英語学習の指南書

どう英語の勉強をしたらいいかわからない、という方は、「指南書」を読むのもいいと思います。

行方昭夫(著)『英文快読術』、斎藤兆史(著)『英語達人塾』、千野栄一(著)『外国語上達法』などは、書き手が語学の達人だけあって説得力があります、自分の「英語の勉強法」とは違って。

英語の勉強をする気が起きない。
そんなことはよくあります。
自分は多い月には31日ほど、ヤル気がでません。

そんな時の発奮剤として、「指南書」を読んでみてはいかがでしょうか。

実践 英文快読術 (岩波現代文庫) Amazon 楽天   英語達人塾 極めるための独習法指南 (中公新書) Amazon 楽天  外国語上達法 (岩波新書 黄版 329) Amazon 楽天

いざ、洋書へ!!

ある程度の語彙数・文法・読解力をつけたらさっそく洋書へ。

映画化されたりして評判になったものを読むもよし、本屋で実際に手に取り、気に入ったものを読むのもよし。古典を読むのもよし。

それに、今ではたくさんの方がブログなどで洋書レビューをされています。お気に入りのブログで紹介されている洋書を読んでみるのもいいかもしれません。

読んで挫折したら、次のを探す。
そのうち、夢中になれる洋書に出会えると思います。

あの新品のペーパーバック独特のインクの匂い。

最初のページを開くのが、ワクワクするようになります。

コメント

from niko

まさんたさん、お久しぶりです♪こんにちは。この記事、大変面白く読まさせていただきました。素晴らしい先生方のそれぞれ説得力のある意見に、どれもうなずいてしまいました…。個人的には、語源から単語を学ぶ、に賛成です。単語の意味を想像する世界が広がりそうですね。それから「文法」に対する考え方がさらに変わりました。お勧めの文法書、私も受験のときに読んだ遠い記憶があるような、ないような…。日本に帰ったら本屋さんでチェックしてみたいと思います。ありがとうございました。

from まさんた

niko さん、こんにちは。
今回は書きませんでしたが、英米人と会話し、議論できる、というのが英語を学ぶ最終目的だと思います。そのための下地として文法などを勉強する。
あとは留学するなり現地に住んだり、外国人の友だちを作ったりしないと英語は話せませんね。
僕は英語を話す機会がなくなったので、特に耳がダメになってしまいました。

文法や語源に興味をもちながら現地に暮らせる。niko さんは本当にうらやましいです。
というか、ほんとお久しぶりです。

from Junpei642

ああおもしろかった。
ちょうど、私のメインホムペの別館を作ったところでして、そこに「書く」ことについて書いたところだったんですが、さっそくリンクさせてもらいます。
ちょっと長すぎるし、わからない人の方が多いかもしれないけれど、役に立つことがいっぱい書いてありますからね。
私は大学受験をしていないので高校時代に単語を集中して覚えるというのをやらなかったんですよ。でも、香港に来て毎日英字新聞を読んだら語彙力が自然につきました。
だから「読んで覚えろ」という方法はいいと思います。私が切羽詰った状態じゃなかったのも良かったのかな?

そうそうfemme fataleがtataleになってますよ~~

Word Power Made Easyは途中で放ったらかしになってます。今は本ばかり読んでいて時間もないんですよね。
また読まないとだめですね。

新しいブログ(別館)は
http://d.hatena.ne.jp/junpeischool/
です。
今日は更新はしませんが、ちょっと書き足すことがあるのでそのときに今日のお話リンクしておきます。
ありがとう~~~

なぜかこのページ 私のコンピューターに保存してあったんですよ。
見つけて良かった~
いっぱいいい事書いてあるので助かります。

from まさんた

Junpei642 さん、いつもどうも。

書いた本人が言うのもなんですが、この記事、ほんと長すぎ。
途中、何度も読むの挫折しそうになりました。
(結局、流し読み・・・)

あっ、毎度恒例の "誤植" の件、ひっそりとバッチリ直しておきました。
そして、となりの人が発見した「ボキャビル方」も、こっそり「ボキャビル法」に訂正。

英字新聞を読むのはいいですね。
いろんなジャンルの単語を覚えられますし。
自分は政治や経済をおもに学んでいた(※身につかなかったが)ので、半ば強制的に英字新聞を読んでいた時期がありました。
中国系やスラブ系の人名や地名に、「これ・・・どう発音すんの・・・??」と困った記憶あり。
というか、今でもスラブ系はダメ。

Word Power Made Easy、自分も中断中、というか、紛失中。
自分は日本男児の鑑なので、パソコン置くのは机じゃなく "コタツ" 派。
そのコタツの周りはいろんな本で要塞化していますが、Word Power Made Easy、その一部となっているのでしょう。

Junpei642 さんの新ブログ、そのうちコメントさせてもらいます。

from modesty

はじめまして、modesty といいます。
 
 英語の勉強の仕方について、アドバイスをいただければありがたいです。

 英語の必要性(あくまでも趣味の範囲でのものです)から40をすぎたあたりから勉強を始めました。
何とか自分の意志を伝えることもできるようになり、英文を読むこと自体に慣れる為に、日本語に訳さずに読むということを続けていました。読んでいるものもある程度までですが、わざわざ日本語に訳さなくても読めるようになった(その時点でのTOEICの得点は700点台です)と思っていたのですが・・・

 やっぱりというか、「誤解も理解のうち」とやっている限り、誤解は誤解でしかなく、英文の構造をしっかりとわかっていないのでしっくりとこないんです。いわゆる「フィーリング英語」からはなかなか抜け出せないと感じたのです。

 落ちこぼれでしたから、文法の基礎など全くありません。だから「フィーリング英語」のままだというコンプレックスもあるように思います。というわけで、英語のやり直しを始めました。

 文法に関しては『フォレスト』『英文法のナビゲーター』といった大学入試向けの文法書を使っています。
何周目かをすませた後『Englis Grammer in Use』を使ってみようと思っています。

 読解は『ビジュアル英文解釈』『ポレポレ』『英文解釈の技術100 』等を使って、全文日本語訳をやっています。最終目標は直読直解であることはいうまでもありませんが、その前の段階で、「何となく」だの「フィーリング」だのというところを何とかしたいということから、全文日本語訳というやり方をすることにしました。

 まだ、始めたばかりなので、果たしてこのようなやり方が正しいのかどうか、というのが気に掛かっています。どういった方法にせよ向かう先にそれほどの誤差が出ることはなさそうかなと思ったり、「継続は力なり」かなぁ、とも思っているところもあるのではありますが・・・

 まことに申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

from まさんた

modesty さん、はじめまして。

この記事はあくまで自分の勉強法を書いたもので、人様にアドバイスするなんておこがましくて出来ません。

拙記事、「自分に合った英語学習法とは? - http://www.ma-santa.com/2010/09/post_148.html」でも書きましたが、勉強法は人それぞれだと思います。

僕はペーパーバックなどを読んでいて、しっくりとこないとき、頭の中で和訳することにしています。

経験上、しっくりこない英文は意味のわかる日本語に変換できないことが多いですね。
そもそも原文を理解できていないので当たり前ですけど。

自分も英語の基礎がグラグラだと気づいたのはいわゆる多読を半年ほどしてからだったと思います。

それで、しっくりこない英文に出会ったらじっくりと考えてみよう、と。

氷河期、間氷期ではないですけど、多読・精読を繰り返し、ここ数年はこのブログを続けているのが原因なのか、一語一語にこだわって英語を読んでいます。

まあ、結局は精読が好きなのだけかもしれません。
わからない英文を解剖し、調べ上げ、意味がスッキリしたときのささやかな嬉しさ、何ともいえません。

“どういった方法にせよ向かう先にそれほどの誤差が出ることはなさそうかなと思ったり”

おっしゃる通りだと思います。
僕は英文の解剖が性に合っていると思うのでそうしているだけ。

万能薬が無いのと同じで、英語の勉強法にも万能法などないでしょうから。

『Englis Grammer in Use』はやって損はないと思います。
日本語の英文法の問題集を解き、あまり間違わないので過信していましたが、『Englis Grammer in Use』を使ってみて基礎のグラグラを痛感しました。
(※ 拙記事 「「English Grammar in Use」で英文法の基本を学び直す - http://www.ma-santa.com/2010/11/english_grammar_in_use.html)

何度もこのブログで書いたことですが、言語(言葉)の勉強は、勉強の中でも最も贅沢なものだと思います。

英語はコミュニケーションのためのツールだ、というのは個人的に大嫌いでして。
言語(言葉)に対して失礼千万。

勉強の対象となる言語(言葉)は数百年、数千年の歴史を持ったものですからね。

言語の歴史の重み、と言ったら大げさかもしれませんが、それを多少、頭の隅っこに入れながら、僕は英語を勉強しています。

from modesty

 まさんた さん こんにちは

 早速の素早い返事、ありがとうございます。

 まさんた さんのお書きになっているモノを、だいぶ読ませていただきました。勉強になります、というか、自分がやっている方法でかまわないというのを確認させていただいたという感じです。

 ありがとうございます。

 必要な情報を得るために、というのが私にとっての英語の勉強を始めた原点のような所があって、それは今でも変わらないようです。

 英語の持つ言語としての性質からなのか、技術情報に関しては、日本語のそれよりは遙かに分かりやすい点があるところで、私のような英語落ちこぼれでも、何とか理解して、それを自分がやりたいことに反映させることが出来たというのがありました。そういった所からなのかもしれません、英語がおもしろいと思えるようになったのは・・・

 何にしても、英語の落ちこぼれだった私が、この年になって、学生時代よりもずっと一生懸命英語の勉強をしているというのは、自分でもおかしくなります。

 楽しめているからこそ続くのだ、というのも感じているところです。変なプレッシャーがないのも、この年で英語を趣味のためだけにやり直していて、それを楽しめる要因だろうと思ったりしているところです。

 興味深い事柄を取り上げられているので、これからも楽しみだと思っているところです。

 ではまた・・・
 

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