2007年4月23日
デイジー・マーガレットとキク科の花 花と英語
すっかり春です。たまに暑いくらい。
それにしても春風が強い。
春風(しゅんぷう)は賞するに堪えたり 又恨むに堪えたり
-雍陶
春の風は気持ちがいいが、花を散らしてしまうのが恨みどころ。
桜の花は散り、すでに葉桜。
でもいろんな花が咲きはじめ、また、花咲く準備をしています。
まずは、デイジーのこと。
デイジー daisy
デイジー、英語で daisy [ デイズィ ]。
和名、ヒナギク。
キク科の花です。
こんもりとしていて、ボンボンみたい。
daisy を LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English/ロングマン現代英英辞典)で調べると、
a white flower with a yellow centre
ー「ロングマン現代英英辞典」
真ん中が yellow の a white flower と定義しています。
そして、flower の項に daisy の絵がありましたが、家にあるデイジーとは、なんとなく違う。
そこで、デイジーの原種を探しました。
デイジーは、キク科、ヒナギク属。
ちなみにピッコロは、魔族。
それはおいとき、原種の花は、これ↓
ずいぶんとシンプル。
daisy の語源。
英語語源辞典にはこう書いてあります。
daisy n. 《OE》デイジー.◆ME dayesye, daies eie < OE dæge-eage day's eye(=sun):
OE、つまり古英語(700-1100年)からある言葉のようです。
要するに、daisy の語源は、day's eye。太陽(sun)のこと。
詩などでは太陽を eye of the day といったりします。
さらに、語源辞典に解説があります。
◇その花が朝開いて夕方つぼむこと,また形が太陽に似ていることにちなむ.
確かに原種の daisy は夜には、つぼんでいます。
太陽の色、いろいろ。
形が太陽に似ている、ですが、色も関係しているのではないでしょうか。
鈴木孝夫「日本語と外国語」にこんな話があります。
ある日のこと大学から戻った私に突然、家内が、「英語で太陽の色は何色かしら」と言った。私が「そんなこと赤に決まっているじゃないか」と答えると、「そうでしょう、でもうまく合わないのよ」と、新聞のクロスワード・パズルをもって来た。
太陽の色(The color of the sun)というヒントに従って赤(red)を入れると、文字欄が三つ余ってしまうというのだ。私は変だなあと言いながらも、思いつくままにいろいろな色彩名を入れてみた。すると黄(yellow)なら上下・左右ともピッタリすることが分かったのである。
しかし太陽の色が黄色とは、どう考えても変だということで、さっそくアメリカ人の知人に電話をかけてみた。すると誰もが、黄色に決まっているじゃないか、どうしてそんな馬鹿なことを、わざわざ聞くのかといった調子なので、本当に驚いてしまった。
さらにこの本によると、太陽の色は西ヨーロッパでは「黄色」、東欧スラブ語地域では「赤」、だそうです。
日本ではなぜ「赤」なのでしょう?
夕日の色でしょうか。
なにはともあれ、「真っ赤に燃えた太陽」ではなく、「真っ黄に燃えた太陽」では、なんか違和感。
言葉の伝統のなせるわざ、ですね。
daisy が day's eye (= sun)なのも中央が黄色いからでしょう。
もしヨーロッパでも太陽が「赤」だったら、daisy という名前ではなかったことになります。
ちいさなことですが、歴史の if。
デイジーは夜はつぼむ、ということですが、大量に植えたデイジーは夜も全開。
もともとつぼまないのか、その花びらの多さゆえ、がんばってもつぼめない、のか?
daisy の名前、いろいろ。
daisy ですが、研究社の「新英和大辞典」には、エンメイギクという訳語もありました。
エンメイギクとは変な名前。
正式な学名を見ると、
Bellis perennis [ ベッリス ペレンニス ]。
perennis を羅和辞典で調べると、
1 丸一年間続く.2たえない,持続する,尽きない.
-研究社「羅和辞典」
羅英辞典でも見てみると、
perpetual, unfailing
-「Collins Gem Latin Dictionary」
デイジーは本来、多年草らしい。
つまり、枯れないで次の年も咲く花。
だから、perennis(ずっと続く)。
エンメイギク、は漢字で書けば、延命菊。
家にあった植物辞典で調べたら、「長命菊」とも。
ですが、日本の暑さでは、夏を越えられないようです。
問題は、Bellis。
Bellis を羅和辞典で調べる。
Bellis, idis, f. 《植》マーガレット.
マーガレット?
「ジーニアス大英和辞典」の daisy の項にも、
b マーガレット(marguerite).
-「ジーニアス英和大辞典」
と書いてありました。
確かにマーガレット marguerite [ マーガリ-ト] はデイジーの原種にそっくり。
マーガレット marguerite
我が家にあるマーガレット。
白、黄色、紫、赤、マーガレットにはいろんな色があります。
ボンボンみたいなものも。
普通のマーガレット、形はデイジーの原種にそっくり。
そっくりすぎて、違いがわからず。
しいて言えば、花びらの数?
それに、ノースポールという名で売られている花。
デイジーやマーガレットそっくり。
よく比べてみると・・・
よく比べてみると・・・
くどいようですが、よく比べてみると・・・
違い、わからず。
英語の north pole は、北極点、または磁石のN極。
もしくは、天の北極。
天の北極?
【天文】(天の)北極《地球自転軸の北端の延長が天球と交わる点》
-研究社「新英和大辞典」
・・・・・・どこ?
いわゆる、北極星、のあたりか?
花のノースポールはたくさんの花をつけるので、遠くからみると真っ白。
北極のイメージが名前の由来か?
ディモルフォセカ dimorphotheca
キク科の花は(基本)夜にはつぼむのでしょうか?
ディモルフォセカ。以前、名もなき花、と紹介した花です。
英語で、dimorphotheca [ ダイモフォスィーカ ]。
この花も、日が当らないと、つぼんでいます。
南アフリカが原産地なので、African daisy とも呼ばれるそうです。
リビングストンデイジー livingstonedaisy
リビングストンデイジー、
英語で livingstonedaisy [ リヴィングストウンデイズィ ]。
この花も、夜や、曇っていると、眠っています。
名前の由来は、英国の宣教師、David Livingston(1813-73)から。
宣教師と同時に、アフリカ探検家だったそうです。
リビングストンデイジーは南アフリカが原産地。
なので、African daisy とも呼ばれるようです。
???
さっきのディモルフォセカも別名、African daisy だったような・・・
夜は寝る時間。
花ってけっこう夜にはつぼんでいるんですね。
花と葉っぱの形からして、キク科には間違いありません。
名前は・・・?
ん・・・
ご想像にお任せします。
キク科、植物界を制するか?
ところで先ほど紹介したリビングストンデイジー。
何科なのか、みると、
ハマミズナ科
キク科じゃない・・・
デイジーは、キク科。
リビングストンデイジーは、ハマミズナ科。
・・・
科が違ってもデイジーでいいの?
まぁ、花が似てるからデイジーにしたのでしょう。
これまでに紹介してきた 桜草 primrose や クリスマスローズ Christmasrose などもバラ科、ではありませんしね。
植物学の学名はともかく、一般的には花の形が似ていたら、似た名前をつけたほうがわかりやすいです。
とくに、キク科の花はいっぱいありすぎ。
びっくりしたのは、ひまわり(sunflower)も、なんとキク科。
もう、キク科は なんでもあり、な世界。
ひまわり sunflower
種を蒔いたひまわり。だいぶ大きくなりました。
きちんと間隔をとって種植えしなかったので、密集しすぎ。
これでは大きく育ちません(母談)。
株分けせねば。
That's a bother.
ん~めんどう。
太陽に関する余談。
英語語源辞典によると、sunflower という単語が使われ始めたのは、16世紀末。
もっと古くからありそうなのに、と思い、いろいろ調べました。
それ以前は、ひまわりのことを heliotrope [ ヒーリアトゥロウプ ] と呼んでいたらしい。
helio- 「太陽」 + -trope 「…を向く」。
Helio (ヘリオ/ヘリオス)といえば、ギリシャ神話の、太陽神。
ローマ神話の Sol (ソル)にあたります。
しかし Helio はギリシャ神話ではあまり有名ではありません。
太陽神なのに。
鷹(たか)の顔を持つ、古代エジプトの最高神、ラー(Ra)など、太陽はたいがい、信仰の中心です。
藤縄謙三「ギリシア神話の世界観」によると、そもそもギリシャ神話では、天体は重要視されていなかったそうです。
しかしギリシア神話においては、もともと天体はそれほど重要な役割を果たしていなかった。太陽神ヘリオスは男神、月セレナは女神であったけれども、神々の中での地位は低かった。宗教の面でも同様であり、ほとんど祭儀がおこなわれていなかった。
さらに、
太陽は神であるよりも、むしろ神々および人間のための照明係であった。そして太陽がかかる扱いを受けたのは、恐らく太陽の活動が余りに規則的であって、自由に行動する余地がなかったからである。あまりに規則的であれば、宗教的に見ても、人間の祈りに答えてくれそうにもなかったから。
続いて、
しかし太陽が規則的で自明のものと見られたのは、ギリシアが晴天に恵まれていることと関係している。しかも農業のためには太陽はむしろ照り過ぎており、主食の麦の栽培は乾燥の夏を避けて、秋から冬を越えて春まで行われていた。ギリシアの農民は雨だけをゼウスに祈願すればよかったのである。
なるほど。
以上、太陽に関する余談でした。
その規準はわからねど。
植物の分類学によると、ひまわり(sunflower)は、
キク目 キク科 ヒマワリ属 ヒマワリ種
ちなみにバラ(rose)は、
バラ目 バラ科 バラ属 バラ種。
バラって、なんかエライ。
花の王者、バラ。
我が家の一角はバラに占領されています。
全部バラ。写真に写っているのは二分の一くらい。
咲いたらみごとだよ、と母談。
それはみごとでしょう。
が、こんなにバラが植えてあるなんて知りませんでした。
ずっと昔からここはバラ・コーナーだったそうですが。
そういえば、キャッチボールをしていて、この場所にボールが入り込むと痛かった思い出が。
まだバラが満開になる時期ではありませんが、いくつか咲いています。
その中で、めずらしいのを一つ。
グリーンローズ、というらしい。
どう見ても、葉っぱの集まりにしか見えませんが・・・
バラがたくさん咲いたら、またバラの話を。
バラは花の中で、いちばん詩や格言でとりあげられる花ですからね。
どう見るか、によって。
最近、気になっているのが、十二単(じゅうにひとえ)という花。
ずいぶんと粋な名前です。誰が命名したのでしょうか?
アジュガ、とも呼ぶようです。
花びらと葉が重なり合っており、ほんと十二単みたい。
英語では、common bugle というらしい。
bugle [ ビューグル ] は、軍隊のラッパ 。
ラッパっぽいか?
百歩譲れば、ラッパっぽい(ピッコロ談)。
十二単にもいろんな品種があるようなので、ラッパに似ているのもあるのでしょう。
ちなみに、十二単はシソ科だそうです。
しそ!?
しそ、その後。
そういえば、ひまわりと同じ所に、青しそ・赤しそを蒔きました。
しそをヒマワリと同居させた理由は、今となっては謎。
が、ひまわりのパワーが効いたのか、しそもついに発芽!!
これが赤しその芽か・・・(ピッコロ談)。
こんなチビなのに、もう青しその形をしている・・・(ピッコロ談)。
ところで、しそは英語で何というのでしょう?
「英辞郎」によると、
beefsteak plant
perilla
Japanese basil
なんとなく、どれも日常的に使う単語の感じがしません。
今は外国でも寿司や天ぷらはメジャーな食べ物。
当然、しそも使うはず。
ん・・・
はて?
百合 lily
百合、lily [ リリ ] も順調、順調。
怒髪天を衝く、勢いで葉っぱが開いてます。
出ぬのなら、出るまで待とう、何かの花・・・
もう一ヶ月も前に種を植えた・・・何か。
状況は全く変わらず、ただの肥料置き場。
切なさに、ピッコロ代魔王、頭のシワも増えたようです・・・
花の原種って、なんかいい感じ。
最近、母親がチューリップの原種を買ってきました。
デイジーの原種もそうですが、小さくて、可愛い感じ。

comments
from niko
こんにちは。何回かピッコロさんを見ているうちに、私も彼のつぶやきが聞こえてくるような気がしてきました(*^^*)。今回も何か考えているような、何も考えていないような良い表情をされています。デイジーが夜つぼむこと、知りませんでした。「day's eye」か…。太陽が黄色だと考えられてなかったら、もっと違う名前がついていたかもしれませんね。興味深い話、ありがとうございました。
2007年4月24日 06:46
from まさんた
niko さん、こんにちは。
最近は花をどうキレイに撮るか、というより、ピッコロにどう表情をつけるか、にばっかり気を使っています。
ピッコロの置き場所を忘れたら大変。家中を探し回っています。
デイジーの語源は調べていて面白かったです。デイジーを見る目が変わりました。
まあ、正直言うと、今回の記事を書くまで、デイジーという名前は聞いたことがあっても、どんな花かは知らなかったんですけどね。
というか、花で判別できるのはバラ・チューリップ・ひまわり、くらいでした。自分のことながら、ずいぶんと変わったもんです。
2007年4月24日 20:15