水仙とワーズワースの詩 花と英語

花と英語 初春編でも水仙(narcissus)を取り上げましたが、再び。

あれ以来、すっかり水仙のとりこ。

水仙 narcissus [ ナースィサス ]。

そういえば、ウィリアム・ワーズワース(William Wordsworth 1770-1850)に、「水仙」という詩があったな。

と思い出し、岩波文庫の「イギリス名詩選」を開く。

ありました。

が、題名が、The Daffodils

narcissus ではありませんでした。

水仙というと daffodil のほうが、一般的なのでしょうか。

そこで、daffodil [ フォディル ]を調べました。

ラッパズイセン;その花《◆leek と共に Wales の象徴;primrose, bluebell, snowdrop と並んで英国の春を代表する草木》.
「ジーニアス英和辞典」

daffodil、変わった綴りの英単語だな、と語源辞典を見る。

少し複雑。

かいつまんで説明すると、もとは affodil 「不凋花」。

そこにオランダ語の定冠詞、de が付いて、de affodil → daffodil。

というのが一般的だが、本当かどうかは不明らしい。

話を水仙に戻し、daffodil を Longman (Longman Dictionary of Contemporary English ロングマン現代英英辞典)で見てみる。

a tall yellow spring flower with a tube-shaped part in the middle

つまり、黄色い水仙。↓これかな?

ラッパズイセン

ワーズワースの詩の中でも、

golden daffodils

となっています。

英国の春を代表する花のようです。

The Daffodils

ついでなので、ワーズワースの詩を。

長い詩なので、最初の方だけ。

訳文は岩波文庫のものを借用します。

I wander'd lonely as a cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host of golden daffodils,
Beside the lake, beneath the trees
Flutttering and dancing in the breeze.

【訳】
谷を超え山を越えて空高く流れてゆく
白い一片の雲のように、私は独り悄然(しょうぜん)としてさまよっていた。
すると、全く突如として、目の前に花の群れが、
黄金色に輝く夥(おびただ)しい水仙の花の群れが、現れた。
湖の岸辺に沿い、樹々の緑に映え、そよ風に
吹かれながら、ゆらゆらと揺れ動き、踊っていたのだ。

英詩について語れるほどの英語力、鑑賞力は自分にはないので、一応、英文解釈のような感じで読んでみます。

I wander'd lonely

¶wander/ウァンダ(動詞)=go about place to place aimlessly(POD)
¶wander'd = wandered

私はさまよい歩いた

as a cloud

雲のように

どんな雲?

That floats on high o'er vales and hills,

¶o'er = over
¶vale/ヴェイル(名詞)谷(vally)。

谷や山々の上空高く流れ続ける

floats on の on は「継続」。

walk on 歩き続ける;march on 進軍し続ける
「カレッジクラウン英和辞典」

hill は、山。

《英》では標高600メートルぐらいまでのものをいう;日本語の「山」は hill に相当することも多い》.
「ジーニアス英和辞典」

When all at once I saw a crowd,

そのとき突然、大群を見た。

when は関係副詞(そのとき)。

どんな大群?

A host of golden daffodils,

¶a host of ... (熟語)大群の...

おびただしい数の金色の水仙

この句は、a crowd の具体的な言い換え。

when all at once I saw a host of golden daffodils,

よりも、いったん a crowd と言ったあと、a host of ... と続けた方がインパクトがあるような気がします。

大群を見たのだ、おびただしい数の金色に輝く水仙を。

岩波文庫のこの本には英文の解説はほとんど載っていないのですが、crowd と host には解説がありました。

host, multitude. この 'host' も 'crowd' と同じく、水仙が生きている感じを与える。

確かに many golden daffodils では味気ないような気がします。

次の句。

Beside the lake, beneath the trees

湖の岸辺、木々のした

Beside the lake, beneath the trees と、
頭韻を踏んでいます。

Flutttering and dancing in the breeze.

¶breeze/ブリーズ(名詞)そよ風。

そよ風に吹かれながらパタパタとひらめき、踊りながら。

flutter はもともと、「鳥が羽ばたきする,ちょんちょん飛び回る」という意味。比ゆ的に使われることが多いです。

ちょうどいい例文が「カレッジクラウン英和辞典」にありました。

The flags are fluttering in the breeze.
旗がそよ風にぱたぱたしている.

ワーズワースの詩でも fluttering と dancing を使うことによって、水仙が「生きている」感じを与えているのでしょう。

もう一度、ここまでの英文を。

I wander'd lonely as a cloud
That floats on high o'er vales and hills,
When all at once I saw a crowd,
A host of golden daffodils,
Beside the lake, beneath the trees
Flutttering and dancing in the breeze.

韻が踏まれています。

雲のようにさまよい歩いていたら突然、目の前に現れた無数の黄金に輝く水仙。

菜の花でもそうですが、視界いっぱいに花が咲いていると、それだけで圧倒されますね。

二番目の節は原文と訳文だけを載せておきます。

Continuous as the stars that shine
And twinkle on the milky way,
They strech'd in never-ending line
Along the margin of a bay :
Ten tousand saw I at a glance
Tossing their heads in sprightly dance.

【訳】
夜空にかかる天の川に浮かぶ
燦(きら)めく星の群れのように、水仙の花はきれめなく、
入江を縁どるかのように、はてしもなく、
蜿蜒(えんえん)と一本の線となって続いていた。
一目見ただけで、ゆうに一万本はあったと思う、
それが皆顔をあげ、嬉々として踊っていたのだ。

きれいに韻が踏まれています。

Continuous as the stars that shine
And twinkle on the milky way,
They strech'd in never-ending line
Along the margin of a bay :
Ten tousand saw I at a glance
Tossing their heads in sprightly dance.

ずらっと並ぶ水仙。さぞかし圧巻でしょう。

やっぱり、ここまできたら続きを全部。

The waves beside them danced, but they
Out-did the sparkling waves in glee : ―
A Poet could not but be gay
In such a jocund campany !
I gazed ― and gazed ― but little thought
What wealth the show to me had brought.

【訳】
入江の小波(さざなみ)もそれに応じて踊っていたが、さすがの
燦めく小波でも、陽気さにかけては水仙には及ばなかった。
かくも歓喜に溢れた友だちに迎えられては、苟(いやしく)も
詩人たる者、陽気にならざるをえなかったのだ!
私は見た、眸(ひとみ)をこらして見た、だがこの情景がどれほど豊かな
恩恵を自分にもたらしたかは、その時には気づかなかった。

For oft, when on my couch I lie
In vacant or in pensive wood,
They flash upon that imward eye
Which is the bliss of solitude;
And then my heart with pleasure fills
And dances with the daffodils.

【訳】
というのは、その後、空しい思い、寂しい思いに
襲われて、私が長椅子に愁然として身を横たえているとき、
孤独の祝福であるわが内なる眼に、しばしば、
突然この時の情景が鮮やかに蘇るからだ。
そして、私の心はただひたすら歓喜にうち慄(ふる)え、
水仙の花の群れと一緒になって踊りだすからだ。

ずっと前にこの詩を読んだときは、全く感じるものはなかったのですが、水仙 Love になってから読んでみると、ちょびっと心に響きました。

ちょびっと。

またまた水仙、いろいろ。

今日、庭を見たらまた新しい種類の水仙が咲いていました。

水仙

水仙

水仙

水仙

水仙

母いわく、もっと色んな水仙が植えてある。

いったい水仙は何種類あるのでしょう?

ツツジ咲く。

咲いている花もありますが、つぼみを。

ツツジ

ツツジ、漢字で書くと 躑躅

英語では、azalea [ アゼイリア ]。

満開になったら、語源などを取り上げてみたいと思います。

百合、にょきっと。

百合も地面から顔を出し始めました。

百合の芽

百合、英語で lily [ リ ]

花が咲くまではまだまだのようです。

ところで・・・百合の花って・・・どんなんだったけ?

名もなき花、再び。

そのほかにも、いろんな花が咲いています。

名前は・・・?

名もなき花たち
名もなき花 名もなき花
名もなき花 名もなき花

三つは、リビングストンデイジー、っぽい名前、のはず。

ピッコロ大魔王、再び。

ひまわりの芽もだいぶ成長。

もう少しで、ピッコロの身長を超えそうです。

ひまわりの芽

ピッコロも、うれしさに目を細めています。

→ 前回のひまわり

!?

芽が出なかった激辛唐辛子。

まさか!?

唐辛子の芽?

ピッコロの足元のちっちゃな芽。

たんなる草なのか、念願の唐辛子なのか、ピッコロも迷っている様子。

→ 前回の唐辛子

我が悲願!!

唐辛子、懲りずにまた種を蒔きました。

「キムチ唐辛子」と「日光とうがらし」の種。

でもプランターなどには植えず、テキトーに庭にばらまきました。

これぞ、The 男蒔き

はたして、何本の唐辛子が芽を出すか。

いでよ、神龍!我が庭を唐辛子ランドに!

いでよ!神龍l

花と英語 ネモフィラと小さな花たち、に続く。

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