chirp ミステリーの英単語

語源辞典によると、英単語 chirp はもともと擬声語で「(小鳥や虫が)(チッチッと)さえずる」という意味。
そこから比ゆ的に、「(カン高い声で)楽しそうに話す」という意味でも使われます。

★洋書ミステリー出る英単語

chirp [ チャープ ]

【動詞】さえずる,楽しそうに話す,ベルが鳴る。

まずは、未亡人のバーディお婆ちゃんが楽しそうに話をしている様子の引用文。

Miss Birdie fluttered around the room, chirping about this and that.

【語句】
¶flutter/フラタ(動詞)そわそわする。

【訳】
ミス・バーディはそわそわと部屋中を飛び回り、カン高い声であれこれと楽しそうにしゃべっていた。
-Jhon Grisham「Rainmaker」

ちなみに引用文中の flutter も元来は「鳥がパタパタと羽を動かしながら、ちょんちょん飛び回る」という意味です。

未亡人のバーディーお婆ちゃんが部屋中をせわしなく動き回る様子を小鳥がパタパタ飛び回る(flutter)動きにたとえています。

バーディーお婆ちゃんのフルネームは"Birdie Birdsong"
Birdie Birdsong

名前にも二つも鳥(bird)の文字が・・・
名前が鳥だらけなので、グリシャムはわざと鳥の動きを表す単語( flutter, chirp )を使ったのかも。
考えすぎ?

いや、Birdie Birdsong は日本語でいうと、鳥歌 鳥子(トリウタ トリコ)さん。

やはり、バーディーお婆ちゃんを小鳥のようなせわしないキャラクターにするためにグリシャムはわざと鳥チックな名前をつけたのでしょう。

ベルの音。

chirp は電話などの音にもたとえられます。
chirp ですから、音は音でも、カン高い機械音

The phone continued to chirp.

【訳】
電話はカン高い音を鳴らし続けた。
Jeffery Deaver 「The Coffin Dancer」

もうひとつ。

His pager began to chirp. He cut it off with a well-practiced move with his right hand to his belt.

【語句】
¶pager/ペイヂャ(名詞)ポケベル(=beeper)。

【訳】
彼のポケベルがカン高い音をあげた。彼は慣れた手つきで右手をベルトの所へやり、それを切った。
M.Connelly 「The Black Ice」

以下、ゴルフ用語に関する余談。

最初の引用文のバーディー(Birdie)お婆ちゃんの birdie はもともと、鳥( bird )の幼児語。
「とっと」という感じ。

ゴルフの「バーディー」も同じ birdie です。

+1bog(e)yボギー
parパー
-1birdieバーディー
-2eagleイーグル
-3albatrossアルバトロス

ということでゴルフ用語の語源について調べてみました。

ボギー bog(e)y の語源。

bog(e)y の原義は「お化け」で、さらにたどるとbugと同じになり、はっきりした語源はわからないようです。

ではなぜ「お化け」から「(ゴルフの)ボギー」になったのでしょうか。

色々調べた結果、諸説フンプン過ぎて、不明。

インターネットで調べるとたくさんの説が出てきます。

もちろん、そういう説が全部間違っているとは思いませんが、とりあえず自分は英語の辞書だけを頼りに語源を探ってみます。

よって、以下の文は英語語源辞典と COD(Concise Oxford English Dictionary コンサイスオックスフォード英語辞典)と OED(Oxford English Dictionary オックスフォード英語辞典)によります。

そんなお化けみたいな奴がいるのか!?

OED に「ボギーという言葉を普及させたストーリー」というのがあります。
長いのでわかりやすく書くと次のようになります。

むか~し、むかしの十九世紀末、ウェルマン少佐がゴルフを楽しんでいました。
各ホールには基準となる打数がありました。ところが少佐はそのことを知りませんでした。そのことを知った少佐は、当時流行っていた『The Bogey Man (直訳すれば恐ろしい男・お化け男)』という歌を思い出し、「そんな打数で回れるお化けみたいな男がいるのか?そんなお化けみたいな男と戦っているのか?」と叫びました。

これをふまえて語源辞典を見ると、

bog(e)y n. ((1836-40))悪鬼;お化け;恐ろしい人[もの].((c1892)) 【ゴルフ】ボギー.◆1:(変形) ← BOGLE:cf. BUG.:← ( Colonel ) Bogey (各ホールをパーでまわる仮想のパートナー;当時流行した K. J. Alford 作曲の軍歌の題名またはポピュラーソング'The Bogey Man'の題名にちなむ).◇語義1の初出例は Old Bogey (= the Devil ).
研究社「英語語源辞典」

つまり、各ホールにはこの打数内でホールインすべし、という数があり、難しいので(お化けのような)仮想の敵(bog(e)y)と呼んだようです。

今でいうパーを昔はボギーといっていたらしい。

COD を見ると、

bogey Golf ■ n.(pl.bogeys) a score of one stroke over par at a hole.⇒ old-fashioned term for par (in sense 1 ).
-「COD」

ボギーは「old-fashioned term for par (パーを意味する昔の言い方)」と書いてあります。

ついでに par を見てみると、

par ■ n.1 Golf the number of strokes a first-class player should nomarlly require for a particular hole or course.
-「COD」

やはりパーは一流のプレーヤーじゃなければ無理な数字です。
OED の話に出たウェルマン少佐が「お化け」と叫んだのも無理はありません。

ところで、語源辞典のところに、

:←(Colonel ) Bogey (各ホールをパーでまわる仮想のパートナー;当時流行した K. J. Alford 作曲の軍歌の題名またはポピュラーソング'The Bogey Man'の題名にちなむ).
研究社「英語語源辞典」

とありました。

colonel とは大佐です。
Colonel Bogey で、ボギー大佐。

OED にあったウェルマン少佐( Major Wellman )の話から、少佐ではかなわない敵ということでボギーに大佐とつけたのでしょう。

ちなみにボギーが今の意味(+1)の意味で文献に現れたのは OED によると 1946年が最初です。

長くなってしまうので・・・

バーディー( birdie とっと)、イーグル( eagle ワシ)、アルバトロス( albatross アホウドリ)についても調べ、面白い発見もあったのですが、ボギーの段階ですでに長くなってしまったので割愛します。

書いたらこの五倍くらい長くなっちゃいそうなので・・・

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