The Chatham School Affair

by Thomas H. Cook

保守的な片田舎に住む、感受性が強く周囲との違和感に悩む少年。
友人たちに溶け込もうとするが、結局なじめず一人距離を置く。
そして校長である厳格な父への反発。

そこに現れたまるで別世界から来たかのような芸術家の美人教師。

少年は芸術に目覚め、自分の世界を作ってゆき、最後には町中を巻き込むこととなる事件の真相を知るただ一人の人間となる。

そして後年、老弁護士となった主人公が少年時代に起きた事件を回想し、真実が次第に明らかになっていく・・・

静かな、静かなミステリー。

全編をつらぬいて、たんたんと落ち着いた書き方で物語は進行していきます。

銃弾が飛び交い、血が流れまくるミステリーが多い中、たまにはドンパチがないミステリーもよいもんです。

ただ、気になるのは場面が変わりすぎ。
物語が核心に近づいてくると、ほぼ確実に違う場面に飛ばされます。
ミステリーですから当然、わざとそうしているのでしょうが、乗ってきた気分が少し冷まされてしまいます。

英文は構文的には難しい部類に入るかもしれません。
関係代名詞・分詞構文などが多用され、そこにまた挿入句が入り...と一文一文が長くなるときがあり、一文で半ページなんてこともあります。
しかし、いわゆる学校文法の範囲を超えることはないので、文法をきちんとおさえていれば大丈夫だと思います。

味わいがい、あります。

真っ赤なブラウス。

翻訳の書名は「緋色の記憶」となっています。
美人教師、チャニング先生が着ていた赤いブラウスからとっているのか?
超訳ですが、素敵な題名だと思います。
内容を考えると自分には「深緑の記憶」のほうが合っているような気がしますが・・・
どうでしょう?

翻訳本:「緋色の記憶」
訳:鴻巣友季子

以上、「The Chatham School Affair」を読んだ感想でした。

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