2006年10月 5日 Posted by まさんた
「英文解釈教室」伊藤和夫(著)
薬袋善郎著『TIME を読むための10のステップ』にこうあります。
最高峰の参考書として『英文解釈教室 改訂版』(研究社出版、伊藤和夫著)があります。この本は英語の考えられるしくみを網羅した参考書なのですが、例文が難解なことと分量が多いこと、そのわりに解説があっさりしすぎていて、かなりの力がないとつらいと思います。ただし、読めれば『タイム』の英文であろうと構造がまるでわからないなんてことはなくなるでしょう。
『英文解釈教室』は時代遅れの英語教育の代表と言われている参考書です。
「難しすぎる」 「受験生には必要ない」など。
確かに難しい。
伊藤和夫自身の、『英文解釈教室』評
伊藤和夫自身がこう言っています。
「英文解釈教室」を書いた時は、もちろんできるだけ明快に書いたつもりだったからね。難しい、難しいとあちこちで言われるたびに、意外と言うか、時には心外な感じがしたものだ。ただ、今になって見ると、あの本を書いていた時は、こういう角度から見れば英語構文の全体を統一的に示せるということにアタマが向きすぎていた、それを読む学生のことを考えていなかったのがあの本の欠点だね。
-『伊藤和夫の英語学習法』
自分は受験の時はこの本は読みませんでしたが、読んだとしても理解できず挫折したでしょう。
ある意味、この参考書を理解できるならこの参考書は読む必要などない感じです。
『英文解釈教室』の目次
目次を見れば、他の参考書と『英文解釈教室』の違いがわかるかもしれません。
Chapter 1 主語と動詞
1 S . . . V (1)
2 S . . . v (2)
3 (S + S) + v
4 To 不定詞、etc ... VCapter 2 目的補語
1 第五文型の意味
2 目的補語の形態
3 目的補語の識別Capter 3 that 節
1 名詞節と接続詞
2 that 節 ― 名詞節
3 名詞 + that 節
4 that 節 ― 副詞節Chapter 4 what 節
1 what ― 関係 [疑問] 代名詞
2 what 節の特殊構文
3 what ― 疑問 [関係] 形容詞Chapter 5 倒置形
1 否定の副詞 + (v) + S + V
2 M + V + S, etc ....
3 O + S + V
4 特殊構文の倒置形Chapter 6 同格構文
1 H + A
2 A = 代名詞、etc.
3 H = 不定詞、what 節、etc.
4 副詞的目的格Chapter 7 It . . .that . . . 1 It + V + that
2 It (形式主語) . . . 名詞節
3 強調構文Chapter 8 意味上の主語
1 S' + to 不定詞
2 S' + 分詞、etc.
3 S' + 動名詞
4 名詞構文Chapter 9 関係詞
1 主語の関係詞
2 目的格の関係詞(1)
3 目的格の関係詞(2)
4 関係詞の省略Chapter 10 修飾語の位置(1)
1 H . . . (句) . . . M
2 H . . . (節). . . M
3 H [S] + V . . . MChapter 11 修飾語の位置(2)
1 M + H . . . H
2 M + H
3 M + H (句・節・文)Chapter 12 比較の一般問題
1 . . . than [as] + 語・句・節
2 . . . than [as] + (S) + V
3 . . . A than BChapter 13 比較の特殊問題
1 no . . . 比較級 [so] . . . than [as]
2 no more . . . than, etc.
3 the + 比較級Chapter 14 共通関係
1 文の主要素の共通関係
2 修飾語の共通関係
3 A and (M) B
4 (A + B + C) (A' + C')Chapter 15 挿入の諸形式
1 語句の挿入 ― and と if
2 節の挿入 ― what と as
3 S + V の挿入
まるで、学者や研究者向けの、専門書みたい。
「副詞的目的格(Chapter 6)」などといった用語は、最近の受験用参考書では使われないでしょう。
『副詞的目的格』とは要するに、『見た目は名詞だが、副詞の働きをしている語』のことです。
Stars were diamond bright, and there was no dew.
星はダイアモンドのように輝き、露はおりていなかった。
-『英文解釈教室』113P
まず、次のような英文があります。
Stars were bright.
星は輝いていた。
この英文の bright は形容詞。
では、星が "どのように輝いていたか" を表すのに、"ダイアモンドのように" と言いたいとき、bright の前に diamond をつけます。
Stars were diamond bright.
普通、diamond は名詞です。
ですが、bright という形容詞を修飾しているので、働きからいえば副詞。
こういう副詞の働きをしている名詞を、細江逸記著『英文法汎論』では『副詞相当語句』と呼んでいます。
あるいは『名詞の副詞用法』ともいいます。
これが一番わかりやすいかも。
小宇宙、小宇宙。小宇宙?
入不二基義という元は駿台予備校の講師で今は山口大学の先生をしている方が、"『英文解釈教室』というミクロコスモス"というエッセイ?を書きました。
確かに『英文解釈教室』はミクロコスモス(小宇宙)な感じがします。
何かがミクロコスモスです。
なんとなく。どこかが。
どこかはわかりませんが。
初版は1977年。もう30年も前です。
改訂版とはいえ、それが今でも出版されているのですからスゴイ。
受験に役立つ、役立たない、実用英語には向かない、などの問題はともかく、ひとつの作品としての面白さは確かにあります。
最近、風呂に入りながらこの本を読んでいますが、チョッピリだけ、宇宙を感じています。
なんとなく。



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